武士道エイティーン

 と言うワケで、『武士道シックスティーン』から始まる女子高生剣道活劇の最終章?誉田哲也『武士道エイティーン』文藝春秋 読了。ちょっと考えていたのとは違いますが、ストンと落ちた気がします。やっぱりこの話は磯山さん早苗の力を借りて成長する話なんだなぁ…と、しみじみ。この物語は主人公が磯山さんみたいな人だからこそ成り立ってるわけですしね。
 と、以下ちょっとネタばれて感想…。

 と、シックスティーンセブンティーンでは磯山さん早苗視点で交互に書かれていた本編が、エイティーンでは緑子(早苗の姉のモデル)とか玄明先生(桐谷道場の師範)とか吉野(福岡南の剣道部顧問)とか田原(磯山さんと早苗の後輩)視点の外伝が挟まれていてちょっと面食らう構造になってました。うーん…悪くはないんだけど、流石にシックスティーンのスタイルで三冊書くのは限度を超えたってコトなんですかねぇ…。まあ、一編一編は面白いのだけど、やっぱり本編は磯山さん早苗の視点だけで構成して欲しかったなぁ…。
 でも、だとしても、やっぱり最後の試合はニヤニヤするほど感動的ですし、怜那との決戦もキッチリ回収しましたし、ラストシーンは陳腐ながら磯山さんの実にストレートなお願いに胸が詰まりました。直球過ぎるなぁ…。最初の頃の野に放たれた獣みたいな磯山さんじゃないですね。相手に負けることを期待して試合に臨むなんて、かつての人殺しのような目をした磯山さんからは考えられません。人の誕生日を祝ったり、竹刀袋に可愛いマスコットつけてみたりと、磯山さんも人並みの表情を見せるようになって嬉しいけどちょっと残念…という感じですね。
 ……でも、何となく続きそうっちゃ続きそうな終わり方なんだよねぇ…。最後まで恋愛をメインに置かず、バイオレンスに流されることもなく、かといってダラダラとした日常を描くわけでもなく、エログロにも行き着くことがないのに面白い!希有な青春モノです。お薦め。

 シックスティーンに関しては、映画版とか漫画版もあるのでそちらもお薦めです。個人的には磯山さんはショートカットで早苗はセミロングのイメージがあるので、漫画版の方がイメージに近いかな…。贅沢を言えば、磯山さんにはもっと野獣のようななりをしていて貰いたいけど…。映画版磯山さん役の成海璃子は好きな女優さんなんですが、彼女に「今、人を殺してきたような目」っていうのが出来るのか不安です…。まあ、公開されたら見に行っちゃうかも知れませんけど。

 と言うワケで、武運長久を、祈る。

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