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Google日本語入力

 というわけで、実家に帰ってきたので、親のPC使って巷で噂のGoogle日本語入力を試してます。噂通り面白いですね。遊びすぎてTwiteerのタイムラインが漢字ばかりで埋まってしまいましたが。

 遊んだ結果を一応保守しておきます。思いついたキーワードガシガシ入れただけなので、あんまり参考にはならないと思いますが、面白いですね。

史書関係

司馬談。司馬遷。史記。史記集解。班彪。班固。班昭。漢書。陳寿。陳壽。三国志。後漢書。宋書。晋書。南斉書。梁書。陳書。魏書。北斉書。周書。隋書。北史。南史。くとうじょ。旧唐書。欧陽修。歐陽脩。新唐書。旧五代史。新五代史。脱脱。宋史。遼史。金史。みんし。清史稿。
春秋。左丘明。春秋左氏伝。春秋公羊伝。春秋穀梁伝。戦国策。司馬光。胡三省。資治通鑑。朱熹。資治通鑑綱目。通鑑紀事本末。りとう。続資治通鑑長編。大唐創業起居注。順宗実録。太宗実録。明実録。清実録。
八旗通志。鄭樵。通志。とゆう。つでん。通典。文献通考。王船山。王夫之。読通鑑論。趙翼。二十二史箚記。廿二史箚記。銭大昕。じゅうななししょうかく。

 意外に正史では明史が出ないのには驚きました。まあ、なんとなく一番言及されないという気もしますが。八旗通志とか普通に出てくる当たりちょっと感心。あと、流石に旧唐書は「くとうじょ」では出ませんでした。

文学関係

山海経。山海經。穆天子伝。穆天子傳。世説新語。志怪小説。唐宋伝奇。紅線。こう孫大娘。聶隠娘。

 公孫大娘が変な出方してたものの、聶隠娘がスラッと出てきてしびれましたな。

三国志

説三分。三国志平話。羅貫中。三国志演義。曹操。劉備。孫堅。孫策。孫権。太平道。張角。皇甫嵩。朱儁。袁紹。董卓。呂布。袁術。郭汜。李傕。張繡。荀彧。荀攸。郭嘉。張遼。徐晃。張郃。関羽。張飛。諸葛亮。龐統。甘寧。虞翻。凌統。

 かなりマニアックな人名でもスラッと出てきますね。李傕とか郭汜とかアホかって感じですが。とりあえず、鄧艾とか鍾会も出てきますし、何気に鍾繇も出ます。

西遊記

大唐三蔵取経詩話。呉承恩。西遊記。孫行者。孫悟空。花果山。大鬧天宮。斉天大聖。二郎神。哪吒。太上老君。如意棒。陳江流。三蔵。とうたいそう。魏徴。東海竜王。天蓬元帥。猪悟能。猪八戒。捲簾大将。沙悟浄。牛魔王。火焔山。はっこつせい。羅刹女。紅孩児。金角。銀角。芭蕉扇。

 李世民だとパッと出てくるのに、唐太宗だとなかなか出てきません。やっぱり廟号はちょっと苦手みたいです。でも、大鬧天宮が一発で出せるIMEはまともじゃないですね…。

水滸伝

大宋宣和遺事。施耐庵。水滸伝。水滸傳。金聖嘆。托塔天王晁蓋。及時雨宋江。智多星呉用。豹子頭林冲。小李広花栄。小旋風柴進。花和尚魯智深。行者武松。青面獣楊志。黒旋風李逵。九紋竜史進。とうかん。蔡京。高俅。楊戩。徽宗。田虎。王慶。方臘。

 あだ名コミコミでバスっと出てくるあたりおかしい。陶侃は出てくるのに童貫が…あれ、どうかんだと童貫でるのか!読み間違えてた!

金瓶梅

蘭陵笑笑生。金瓶梅。西門慶。潘金蓮。武大。ごげつじょう。りきょうじ。孟玉楼。そんせつが。りへいじ。

 自分もよく知らないけど、金瓶梅はあんまり強くないですね~。

紅楼夢

曹雪芹。紅楼夢。賈宝玉。林黛玉。薛宝釵。史湘雲。王熙鳳。大観園。史太君。かこうしゃ。賈迎春。りがん。賈元春。賈探春。

 金瓶梅に比べれば良く出てくる印象です。

田中芳樹の中国武将列伝

春秋時代⇒孫武。伍子胥(ごうん)。范蠡。超襄子(趙無恤)。
戦国時代⇒呉起。孫臏。楽毅。田単。廉頗。趙奢。信陵君(魏無忌)。李牧。
秦時代⇒白起。王翦。蒙恬。
漢楚争覇時代⇒項羽。張良。韓信。
前漢時代⇒周亜夫(周勃)。李広。えいせい。霍去病。趙充国。鄭吉。陳湯。
後漢時代⇒鄧禹。馮異。岑彭。馬援。班超。曹操。関羽。周瑜。
三国時代⇒司馬懿。陸遜。鄧艾。
東西両晋時代⇒杜預。王濬。陶侃。祖逖。謝玄。
南北朝時代⇒檀道済。韋叡。楊大眼。斛律光。蘭陵王(高長恭)。蕭摩訶。
隋時代⇒韓擒虎。劉方。張須陀。
唐時代⇒李靖。李勣(徐世勣)。秦叔宝(秦瓊)。うっちけいとく(うっちきょう)。蘇定方。薛仁貴。王玄策。裴行倹。高仙芝。郭子儀。りそ(りせい)。李克用。
五代十国時代⇒王彦章。周徳威。
宋・遼・金時代⇒曹彬。楊業(ようけいぎょう)。耶律休哥。穆桂英。狄青。宗澤。岳飛。韓世忠(梁紅玉)。宗弼(ウジュ)。虞允文。孟珙。完顔陳和尚。張世傑。
元時代⇒伯顔(バヤン)。郭侃。ここてむる。
明時代⇒徐達。常遇春。姚広孝(どうえん)。鄭和。于謙。王守仁(王陽明)。戚継光。袁崇煥。秦良玉。鄭成功。
清時代⇒ドルゴン。みんりゃん。楊遇春。李長庚。関天培。せんげりんちん。李秀成。石達開。劉永福。

 異民族系のココテムルドルゴンサンゴリンチンが出てこないのは仕方ないにしても、漢字は衛青尉遅敬徳が出ないくらいでほぼパーフェクト。これは…田中信者の仕業だな…。

武侠小説(金庸)

書剣恩仇録⇒こうかかい。総舵手。陳家洛。乾隆帝。ほちんとん。かすりー。ほんらいしゅ。文泰来。駱冰。じょてんこう。よぎょどう。りくひせい。
碧血剣⇒袁承志。夏青青。金蛇郎君。崇禎帝。阿九。李自成。李岩(李巌)。何鉄手。ホンタイジ。ドルゴン。
雪山飛狐⇒こひ。胡一刀。苗人鳳。苗若蘭。田帰農。
射雕英雄伝⇒郭靖。黄蓉。楊康。穆念慈。東邪・黄薬師。だんししんつう。西毒・欧陽鋒。蝦蟇功。南帝・一灯大師(段智興)。一陽指。北丐・洪七公。降龍十八掌。打狗棒。ちゅうしんつう・王重陽。老頑童・周伯通。えいこ。江南七怪・柯鎮悪。朱聡。かんほうく。なんきじん。ちょうあせい。ぜんきんはつ。かんしょうえい。焦木大師。梅超風。全真教。全真七子。馬鈺。丘処機。王処一。たんしょたん。りゅうしょげん。かくだいつう。孫不二。かんがんこうれつ。わんやんこうれつ。九陰真経。ぶぼくいしょ。
神雕侠侶⇒楊過。小龍女。獅子吼。李莫愁。金輪法王(きんりんこくし)。独孤求敗。かくふ。郭襄。かくはりょ。やりつせい。絶情谷。神雕侠。
飛狐外伝⇒こひ。程霊素。袁紫衣。福康安。
倚天屠龍記⇒倚天剣。屠龍刀。張三豊。武当山。ちょうすいざん。明教。殷素素。張無忌。趙敏。峨眉山。周芷若。いんり。小昭。金毛獅王・謝遜。しさんりゅうおう。ようふかい。こうみょうさし・楊逍。こうみょううし・はんよう。
鴛鴦刀
白馬嘯西風
連城訣⇒空芯菜。狄雲。戚芳。戚長発。ばんれいざん。万圭。梅念笙。丁典。凌霜華。血刀老祖。落花流水。水笙。
天龍八部⇒丐幇。喬峯。蕭峯。あしゅ。あし。大理国。だんよ。段正淳。木婉清。しょうれい。慕容復。王語嫣。まんださんそう。游担之。虚竹。天山童姥。耶律洪基。完顔阿骨打。悪貫満盈・だんえんけい。ようじじょう。南海鰐神。
侠客行⇒石破天。
笑傲江湖⇒五嶽剣派。華山派。君子剣。偽君子。岳不羣。しかこう。しかひきゅう。寧中則。令狐冲。小師妹。岳霊珊。ふくい鏢局。林平之。りんえんと。辟邪剣譜。風清揚。独孤九剣。嵩山派。左冷禅。りくはく。ひひん。恒山派。定逸師たい。儀琳。こうざんは。莫大先生。劉正風。少林寺。方証大師易筋経。武当山。田伯光。せいじょうは。余滄海。日月神教。葵花宝典。東方不敗。ようれんてい。曲洋。じんえいえい。じんがこう。吸星大法。
鹿鼎記⇒韋小宝。しょうけいし。康熙帝。しょうげんし。建寧公主。順治帝。ぎょうち。かいだいふ。天地会。陳近南。ていこくそう。もくけんぺい。ほうい。双児。九難。ちんあか。かてきしゅ。呉三桂。ごおうゆう。陳円円。神龍教。四十二章経。
越女剣

 力尽きた…。意外に胡斐とか任盈盈が入ってないと思えば、思いもしない人が入ってたりして基準が分からないですね。

 と、続くかどうかはともかく一旦ここでおしまい。

追記:その後、ちょっとだけ遊びました。

武侠小説(古龍)

かんかせんけん⇒ほうほうぎょく。小公主。こふしゅう。
大旗英雄伝⇒てつちゅうとう。うんそう。水霊光。温黛黛。
ぶりんがいし⇒しんろう。おうれんか。ゆうびょうじ。
絶代双驕⇒こうしょうぎょく。小魚児。花無缺。鉄心蘭。そいん。小仙女。張菁。燕南天。激月きゅうしゅ。れんせいきゅうしゅ。ぼようきゅうまい。ときょうきょう。ははじ。こうべつかく。こうぎょくろう。
楚留香伝奇(けつかいひょうか、大沙漠、画眉鳥、しゃくしへんこん、蝙蝠伝奇、桃花伝奇、新月伝奇、ごやらんか)⇒楚留香。そようよう。りこうしゅう。そうてんじ。こてつか。
多情剣客無情剣⇒小李飛刀。しょうりたんか。りじんかん。あひ。りんせんじ。そんしょうこう。りゅうしょううん。じょうかんきんこう。けいむめい。
しょうじゅういちろう
歓楽英雄⇒かくだいじ。おうどう。えんしち。りんたいへい。
流星胡蝶剣⇒こうろうだい。もうせいこん。ようしょう。
辺城浪子、くがつようひ、てんがいめいげつとう⇒ようかい。傅紅雪。ていれいりん。
りくしょうほうでんき(きんほうおうちょう、しゅかたいとう、決戦前夜、ぎんこうとぼう、ゆうれいさんそう)⇒りくしょうほう、花満楼、せいもんすいせつ、しくうてきせい

 古龍は弱め。

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古代中国の虚像と実像

 と言うワケで、落合淳思『古代中国の虚像と実像』講談社現代新書 を読了…。まあ、予想通りサラッと読める本ではありました。
 どういう本かというと、金文偉い!二次文献資料カッコワルイ!と言う、発掘ブームに沸く中国の世相を反映した最近の学会の風潮をデデーンと主張してる本です。まあ、文献資料でも古い時代に書かれたモノに価値があり、数百年経ってから書かれたモノにはあまり価値がないというスタンスですね。
 言わんとしていることはわかるものの「密室で会話されたとするモノが史書に書かれているのがそもそもおかしい」という類の事例を押し並べて「だからこの話は作り話だ!」という感じでガンガン断定していくのはどうかと…1。史書に書かれている”史実”は、そのまま当時起きた”事実”とは違うのは…、何というか今更ご高説垂れて貰うまでもなく常識の範疇ではないかなぁ…とも思うんですけどねぇ…。せいぜいが「密室で行われたことが外に漏れる可能性は極めて低いので信憑性には欠けるモノの、後世の史家及び当時の市井の人々が納得する説話であった」とする方がいいと思うんですけどねぇ。それならば一番わかりやすい四知でも例に出せばいいのに…と思うんですが…。

大將軍鄧騭聞其賢而辟之,舉茂才,四遷荊州刺史﹑東萊太守.當之郡,道經昌邑,故所舉荊州茂才王密為昌邑令,謁見,至夜懷金十斤以遺震.震曰:「故人知君,君不知故人,何也?」密曰:「暮夜無知者.」震曰:「天知,神知,我知,子知.何謂無知!」密愧而出.後轉涿郡太守.性公廉,不受私謁.子孫常蔬食步行,故舊長者或欲令為開產業,震不肯,曰:「使後世稱為清白吏子孫,以此遺之,不亦厚乎!」2

 まあ、有名な話なので楊震四知とでも検索すれば意味は出てくると思います。要するに、要職にあった楊震の元に夜半、王密という人が任官の便を図って貰おうとして、賄賂を持って行ったところ楊震は受け取らず、王密が「今は夜ですし知っている人もいません」と促すと「天知る地知る我知る君知る…なんで誰も知らないと言うことがあろうか!」といったという説話ですよね。
 本当にこのことを知る人がいなかったのなら、この話は史書に載ることなく二人だけの秘密になったはずですが、史書に残されているところを見ると楊震が恐れていたように誰かに見張られていたのか、恩を感じた王密が喧伝したのか、改心のディベートを楊震自信が吹聴して回ったのかいずれかですよね?史書にはママどうしてこの話が伝わったんだろう…という話は多くあります。こういうのを一つ一つあげつらって「作り話だ!」というのは…ナンセンスだと自分は思うんですけどねぇ…。むしろ、当時その説話が事実だと信じられた…もしくは史書を書いた人物にとっては事実どと信じ…そして後世の人も事実だと信じた…という社会的な側面の方が中国史では特に留意すべきだと思うんですが…。信憑性が薄いというのであれば同意するんですけど、信憑性が薄い=作り話であるというのは些か飛躍のしすぎだと思うんですが…。この辺、一般書だから敢えて強調したかったのかも知れませんが、ちょっと飛躍しすぎのような印象を受けました。

 で、文学史学が未分化の状態とよく言われる《史記》や、あの平勢氏によるとプロパガンダだと言われる《春秋左伝》も、事件の数百年後に書かれた史書で信用に値しないとか書かれていますが…。この論法で行くと《史記》の武帝朝の記述は同時代資料として全面的に信頼が置ける文章と言うコトになるでしょうし、《春秋左伝》も比較的記事の新しい部分については作為が少ないといえることになるんでしょうけど、その辺についてはスルーですね…。こういう人が見落とすのは、「一次資料も同時代資料も、二次資料や後世の資料同様嘘をつくし、完全な事実を述べない」と言うコトですね。むしろ、社会的な制約のある一次資料の方が禁忌に触れて書けないこともあるはずですから、扱いには十分注意が必要なはずです。

 あと、《孫子》については、いろいろ根拠をあげて《孫子》が春秋時代孫武の著作ではない根拠をあげています。その中で孫武で活躍したのが事実ならば、海上戦に関する記述がないのはおかしい…と書かれてます3。むしろ戦国時代に書かれた兵書なら、一般的に言われているように、何故攻城戦の記述がないのか?と言うコトにも答えないと断言はできないはずなんですけどねぇ…。
 それに《史記》では、孫武の出身で、元々『孫子兵法十三篇』が評判だったために闔廬に謁見したように読めるんですが4、自分の漢文力がないからに行ってから《孫子》を書き上げたように読めないのか…それとも最近の研究で《史記》の孫子呉起列伝が否定されているのかは知りませんが、どうして海上戦の記述がないことが《孫子》の偽書疑惑の根拠になるのかさっぱりわかりません…。この部分に関しては平勢氏同様の胡散臭さを感じるのが残念ですねぇ…。

 面白かったのが、やっぱり専門の甲骨文と、平勢氏完全否定のところだけだったのが残念でしたが…。

  1. まず問題になる部分は、趙高らによって破棄されたはずの始皇帝の爾書の内容が記録されている点であり、これは事実としてありえない。また帝位継承者を替える密談が記載されていることも不自然である。始皇帝が死んだのは紀元前二一〇年であるが、『史記』が著されたのは前漢中期(紀元前九〇年ごろの完成とされる)であり、百年以上の時代差がある。要するに、始皇帝本紀の内容は、その間につくられた作り話だったのである。『古代中国の虚像と実像』P.13
  2. 《後漢書》巻五十四 楊震列傳第四十四 楊震
  3. しかも、呉の地方は湿潤な気候のため湿地帯が多く、軍隊の移動や物資の輸送には船が有効なのであるが、『孫子』にはそうした状況での兵法はほとんど記されていない。『古代中国の虚像と実像』P.106
  4. 孫子武者,齊人也.以兵法見於吳王闔廬.闔廬曰:「子之十三篇,吾盡觀之矣,可以小試勒兵乎?」《史記》巻六十五 孫子呉起列傳第五 孫子

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虚像と実像

 本屋でブラブラしていたら、落合淳思『古代中国の虚像と実像』講談社現代新書 を発見……。パラパラ見るに中国古代史にまつわるネタを一個一個披露する形式の模様。具体的には三国時代というかの小ネタお蔵出し~。ああ~学生時代こういうネタよく授業中に仕入れたわ~という感じ。というか、パラパラ見てると何というか…嘘はついていないのだけど、踏み込みが浅いというか何というか…これ、ブログでよくね?という感想が沸々と…。ねぇ…呉孫子は居ない!説は良いのかなぁ…。
 ともあれ、暇見つけて読んでみたいと思いマッスル!

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髯のない劉備

 相変わらず易中天/鋤柄治郎『三国志 素顔の英雄たち 下巻』冨山房インターナショナル を読んでます。厚い本だなぁ…。
 で、読んでて気になったのが劉備が髯を蓄えていなかったという記事。

というのは、劉備はひげを蓄えていなかったからである。『三国志・周羣伝』に「先主にはひげがなかった」とあるとおりである。(P.127)

 京劇などでは女性的なイメージで髯がないのが当たり前みたいな劉備ですが、本当に髯がなかったみたいですね…。気になったので、久しぶりに中央研究院 漢籍電子文獻で検索してみました。

初,先主與劉璋會涪時,裕為璋從事,侍坐.其人饒鬚,先主嘲之曰:「昔吾居涿縣,特多毛姓,東西南北皆諸毛也,涿令稱曰『諸毛繞涿居乎』!」裕即答曰:「昔有作上黨潞長,遷為涿令(涿令)者,去官還家,時人與書,欲署潞則失涿,欲署涿則失潞,乃署曰『潞涿君』.」先主無鬚,故裕以此及之.
《三國志》蜀書巻四十二 蜀書十二 周羣 張裕

 面倒臭いので訳はスッ飛ばしますが、劉備にやってきた頃、劉璋の部下であった張裕のヒゲが濃いことを劉備がからかうと、張裕は逆に劉備にヒゲがないことをからかい返した…ってコトですね。これだけなら笑い話で済むんですが、後々これを根に持った劉備に処刑されたりするので、後味が悪い話になってますね。
 張裕蜀郡の出身ですから、元々外来政権である劉璋政権のことも劉備政権のことも快く思っていないグループに属していたわけです。それにしても、譙周筆頭にの在地勢力の人って予言とか人相見とか神秘思想っぽいコトで有名な人が多いですねぇ…。
 この本では諸葛亮が泣いて馬謖を斬らなければいけなかったのは、法律の厳格さを強調するよりも、衆目に反する人事であったために(先鋒を任せるなら魏延なり呉壱に任せるのが順当と言われていた)、旧劉璋閥東州集団在地勢力益州集団だけでなく、劉備の元々の部下達=荊州集団の不満を解消するための政治的な判断であったと強調するなど、蜀漢政権内の矛盾を再三指摘してます。これはこれで面白いんですけど、自分のようなライトな三国志フリークとしては、ヒゲのない劉備というエピソードの方が心惹かれたりするんですけどね。パッとwikiを見てもヒゲのことは書いてあるので、ディープな人には常識みたいですねぇ…。自分はしらんかったです。

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禰衡

 と言うワケで、ツラツラと易中天/鋤柄治郎『三国志 素顔の英雄たち 下巻』冨山房インターナショナル を読書中…。央視の教養番組《品三国》のムック本の訳本です。基本的に史書《三国志》をベースに話を進めていくので、日本人が大好きなパターンですね。でも、ずっしり重い本です。
 で、大体は史書ベースにマッハの差といっても良いコトをアレコレしているので、自分みたいなライトな三国志ファンは「へー」程度の感想しか沸いて出てきません。が、曹操が文人達を次々に抹殺する様を追っていく第二十八章 邪魔者は他人の手で始末する 及び、第二十九章 死の真相 は面白かったですね。
 禰衡孔融楊脩崔琰曹操に何故殺されたのか?を二章に渡って考察するんですが、今回のネタにするお題は禰衡。大体、禰衡という人は過分な評価を得ているような気はしていたのですが、この本ではケタクソに書かれていますね…。有名なエピソードだと思うので、詳しくはwikiかなんかを読んで下さい。
 で、禰衡皇帝のお膝元・に現れて権力者に毒舌を吐きかけ、奇行を振りまいて一躍時の人になるわけですね…。で、数少ない友人の孔融を介して曹操の元に呼ばれて毒舌を吐いた結果、劉表のもとに厄介払いされ、更に黄祖に押しつけられて殺されます。大体は権力者に楯突いた隠士として人気があるんですが、この本では禰衡は正義感が強かったから、気骨があるから権力者を罵ったわけではなく、罵りたいから罵っただけだと喝破してます。確かに…。結局は禰衡の敵は権力者だけではなく社会全体であり、禰衡は全ての人を軽蔑していたし、自分の気骨を表現するためなら、数少ない友人である孔融の立場が怪しくなろうが知ったことではなかった…と。賢者などではなく馬鹿者じゃないか!と喝破します。うーん…反論できない。
 言われてみると、禰衡って何かポリシーがあって権力者に楯突いたわけでもないですしねぇ…。道化としては面白いですが、友人付き合いは難しいかも知れません…。禰衡に褒められた孔融にしろ、楊脩にしろ、結局は曹操に殺されてるので、何か呪われた交友関係って気がしますね。

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