6月 03 2011

偉大なる、しゅららぼん

Posted by 宣和堂 in 書籍

 と言うワケで、万城目学の新作小説・『偉大なる、しゅららぼん』集英社 です。上京した際にまとめて読んで、帰ってきてから読了しました。

 思えば万城目小説も、『鴨川ホルモー』、『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』と四作目ですね。今回も前作までと同様、変な小説です。

 あ、気がついたら『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』が抜けてる気がしますが、まあ、あれ毛色違いますしね…。
 …と、ここからはネタバレ満載なので、イヤな人は回れ右デス!
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6月 05 2010

告白

Posted by 宣和堂 in 映画

 と言うワケで『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』の中島哲也監督の『告白』を見に行きました。何というか…ものすごくエグイお話です。R15映画なのも納得。いつもの中島映画ではないのですが、成る程中島監督だ…と納得。人を呪わば穴二つ…と言う言葉も浮かびつつ、最後には何だか爽快という不思議な映画でした。と、以下ネタバレです。

◇適当なあらすじ◇
 高校教師・森口悠子は担当クラスの教室で教職を辞することを生徒に告げる。理由は愛娘・愛実の死。そしてそれは事故ではなく事件、殺人事件であり犯人はクラスメイトの中にいるという。少年Aと少年Bとしながらもクラスメイトには分かる形で淡々と告白する森口は、愛実が誤ってプールに転落したという警察の捜査を蒸し返すことはしないという。しかし、娘を殺した者達を許さないと、少年達に復讐を宣告するのだった…。

 とにかく表現がエグくて、中学校にありがちな陰湿ないじめの手段がこれでもかこれでもか!と出てきます。学園モノではありますが、人死にが出てきます。おまけにスプラッタ映画でもないのに血がドバドバ流れます。テレビで見るような凶悪犯罪の再現ドラマのようなシーンが山積みで胸くそが悪くなります。なので万人に対しておすすめできる映画ではありません。性的な表現はそんなにありませんが(精々がミニスカに泥が掛かるシーンが何だかやたらエロいくらい)、納得のR-15映画です。
 ですが、神経磨り減らしながら合法的に(倫理的ではありませんが)復讐を果たす森口悠子の鬼気迫る描写は、松たか子の確かな演技力を感じさせました。ラストシーンまで息詰まりました。感服するしかないですね…。ラストの「なんてね?」は背筋が凍りました。少年法の理不尽を正にドッカーン!と打ち砕く凄いキャラクターです。
 子供側も誰にも肩入れできない見事さでしたね。少年Aも少年Bも救いがたいワケですが、それなりに説得力あってリアリティーがあります。成る程こう来ちゃうのか!今の子ならAKB48聞くよねwwミヅホもああいう女子高校時代にいたなぁ~と言う感じで…。冷蔵庫恐いデス。
 木村佳乃の母親振りもステレオタイプのモンスターペアレントでしたが、身勝手な人としてナカナカ説得力あるという…。
 ウェルテルもウザさ満点でしたけど、この人悪い人じゃないんですよねぇ…。ウザイだけで…。でも、この人がキャストで三人目に来るのは何か違うんじゃないかなww

 ほぼモノローグだけで構成されているという原作に沿う形で、それぞれの登場人物の告白…という形で話は展開してきます。モノローグをああいう形で処理するんだ…というのが流石は中島哲也監督という所。精神に異常をきたした人物のシーンは流石は中島監督という秀逸の出来でした。もっとも、そこしか”いつもの中島監督”は出て来ないんですけど。
 それにしても、現代の復讐モノとしては実に傑作ですね。ちょっと『絡新婦の理』を思い出しました。それにしても松たか子凄い。実に怖い。人には勧めませんけど自分は面白かったデス。どういう勧め方したらいいのか検討つかないので…。

 あと、関係ないですけど、パンフレット買ってフンフン見てたら、エライ老けてると思った少年Aの母親と父親が自分よりも年下だった…。結構ショックだけど、自分も13歳の子供がいてもおかしくない年だったことを思い出したりしたのでした。Oh!No!

 と、一応、原作小説を買ってきたんですが読めるような心境になるまで時間が掛かりそうです。結構重たかったですよ。

5月 29 2010

武侠小説を武侠小説たらしめているモノ。

Posted by 宣和堂 in 徒然, 書籍

 いつものようにヒヨヒヨとTwitterをしていたらこんな記事がTLに…。

武侠小説が産み出された歴史的な背景を自分なりに考えてみましたら、結局はいきつくところは水滸伝の成立史と関わってくるようです。水滸伝もあれは武侠小説としか思えませんし1

 うーん…。武侠小説水滸伝にはかなり開きがあるような。と言うコトでちょっとかみついてみました。

@syouyouha 侠義小説と武侠小説をごちゃ混ぜにするのはあんまり関心せんですよ。水滸伝は武侠小説じゃないと思います。2

 と発言したモノの、ハテ…それまでの中国古典小説武侠小説を分けるモノは何だろう?…よくよく考えてみると武侠小説の定義…武侠小説武侠小説たらしめているモノは実はあんまり的確に定義されていないのではないか?と考えて、以下の特徴を挙げてみました。

1:必殺技
 主人公は何だかよく分からない流派のよく分からない剣術とか気功とか使う。物語の主要部分に秘伝書や秘訣が絡む場合があり、秘術を得れば後述の江湖世界を統一できるとかそう言うイメージで語られる。

2:江湖世界
 江湖と呼ばれるアウトロー世界が存在している設定。カタギとは違うヤクザな世界…なハズだけど庶民からも敬愛されてたりする。主人公や主要人物は宗教・政治・武術的な結社に所属している場合が多い。この場合、少林寺・武当山などは宗教、紅花会などは政治結社、これらが武術結社の色合いを濃くしているのは武侠小説。結社は禅宗寺院をモデルにして疑似家族の態をなし、字輩などで世代を表現する。

3:娯楽性
 武侠小説の大きな要素は恋愛要素。古典小説と比較して腫れた惚れたで生涯人のことを慕ったり恨んだりする話が多い。総じて愛憎の幅が広い。それに乗じて復讐譚も多い。また、宝探しネタも多く、時には秘伝書自体が宝物として捜索される話が多い。

4:中国
 金庸小説の場合、舞台が中国…大清版図(大理や契丹、西夏は大清の版図)。愛国心を鼓舞する内容になるコトが多い。主人公が反清組織に入っていたり、チベット僧が悪役の場合が多い。

 自分が武侠小説武侠小説たらしめているモノとして上げたのは以上四点。ただ、水滸伝との違いとしてあげるならコレも足して良いかも…。

倫理観
 水滸伝では無差別殺人をする人間でも、三度の飯より殺しが好き!と、英雄扱いする場合があるが、武侠小説では無差別殺人をする人間は妥当すべき悪として設定さてる。また、水滸伝では自由恋愛する女性は潘金蓮にしろ潘巧雲にしろマイナスに見られがち。ま、不倫なんだけど…。武侠小説では割と悲劇扱いされる。

 モヤモヤしてるのでまだちょっと続けるかもデス。

  1. syouyouha 逍遥派掌門相談役 段 さんの発言
  2. 自分の発言
5月 03 2010

武士道シックスティーン

Posted by 宣和堂 in 映画

 と言うワケで、行ってきました映画『武士道シックスティーン』。全体的には磯山選手に「ヌルいことやってっと、殺すぞ!」と言われかねない内容でした…。アイドルムービーですね。いや、知ってましたけど、なんというか税金ですからしょうがない。以下続きます。ネタばれてますかね…。

 まあ、成海璃子はがんばって磯山さんに近づこうとはしてたんですが、なんだろう…原作で魅力だった部分が削ぎ落ちちゃってるというか、磯山さんはあんな短いスカート履かないだろうし(多分、かっこ悪くても膝下丈のスカート履く)、丸くないと思う。彼女独自のユーモアも殆ど出てこないのでちょっと物足りないですね…。意図があってそうしてるとも思えませんから、磯山さんはあんなこと言わないwwという場面が続出です。全中二位じゃなくて一位だったし…怜那が出て来ないとはいえちょっと違和感が…。あと、人殺しのような目ではなかったよねぇ…。ただ、ミニスカで胡座かく成海璃子はナカナカ良かったです。
 早苗は…まあ、あんなもんだろうしなぁ…。北乃きいだったんですが、何故か堀北真希と勘違いしててガッカリ感が…。なんで勘違いしたんだろう…。ただ、足裁きが日舞という設定はスポーンと抜けてました。元々強いと言うコトになってました。なんだそりゃ?
 後は…お父さん二人ですかねぇ…。磯山父は厳しくて言葉少ないけど、割と子供突き放したところのある親父さんなのに、磯山選手の試合は全部観戦してたりビデオ撮ったりして結構出来た人です。なのに、映画版は玄明先生と一体化した上に全然出来てない大人になっちゃってるので、娘に謝っちゃったりするので、ちょっと…。
 甲本父は…板尾創路だったので写真出てきた段階で吹きました。あと、甲本父の新発明品=眼鏡無し3D画像再生機で再生される映像が、”Star Wars“のレイア姫のパロディーでした…。つまんなかったかなぁ…面白かったから大爆笑したら場内シーンとしてたんですが…。割と早苗を励ますセリフは良かったですね。
 正直剣道シーンは引きばっかりで、思ったより迫力無かったですね…。早苗が何で凄いのかよく分からなかったし…。小説読んでるときは試合は主人公目線だったので、CCDでもつけてるイメージだからナァ…。この辺はもしかしたらアニメとかの方が良いのかな…と思ったくらい。ワンクールで綺麗に終わりそうだしダメかなぁ…。萌えないからダメか…。
 ともあれ、映画では最終的に磯山さんが悩むのは父親の言いつけ通りに剣道やってたけどコレで良いのか?という、割に青春映画では当たり前の結論に……。オイオイ!武士道どこ行ったんだよ!磯山選手武士道は!と、突っ込みたくなりました。コレじゃ映画全編チャンバラダンスじゃネーか!

 総じて言えば、DVDスルーが妥当の映画ですね。…WOWOWが制作に入っているので地上波に来るにはちょっと時間かかるでしょうし、やっぱりDVDでしょうねぇ…。ガッカリしたから原作読もうかな(『蒼穹の昴』と言いこんなのばっかり)。

3月 23 2010

NHKドラマ 蒼穹の昴 第九回 恋ごころ

Posted by 宣和堂 in 徒然, 歴史

 え~一回丸ごと恋バナの回ですね。こんな回を入れるくらいなら、李鴻章だって出せたろうに!!ムキー!です。原作では恋愛らしい恋愛もありませんし、玲玲に「乳吸ってよ」とか言わせるわけにも行かないでしょうし、春児×蘭琴の禁断の愛とかも大陸のお茶の間に流すわけに行かないので仕方ないんですが…。ミセス・チャンって全然美人イメージなかったんですけどねぇ…。そもそも、原作ではミセス・チャン梁文秀って面識なかったと思うんですが…。
 ちなみに、劇中、満洲人漢人は通婚できないと再三言われていますが…実は出来たりしてます。と言っても、漢軍八旗と言われる入関前にに帰順していた漢人部隊の子孫ですが…。蒙古八旗とともに満洲八旗と通婚を繰り返したために、独特の風習をこのクラスは保つことになり、満漢蒙八旗の子弟を総称して旗人と言うようになったわけです。なので、DNA的にはかなり漢人の血は入っていたようです。
 ただ、生活習俗は満洲人と変わらなかったため、辛亥革命後に迫害を避けて、漢軍八旗旗人漢人に、蒙古八旗旗人モンゴル人と言うコトにしたようですが、ナカナカ巧く行かず、結局は旗人をひっくるめて満洲族として扱うようになったみたいですね。この辺は愛新覚羅烏拉煕春先生の『最後の公爵 愛新覚羅恒煦』朝日選書 あたりを読むと詳しく書いてあります。
 と言うぐらい今回は書くことがないです。困った…。次回は恭親王醇親王のネタにします。