偉大なる、しゅららぼん
と言うワケで、万城目学の新作小説・『偉大なる、しゅららぼん』集英社 です。上京した際にまとめて読んで、帰ってきてから読了しました。
思えば万城目小説も、『鴨川ホルモー』、『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』と四作目ですね。今回も前作までと同様、変な小説です。
あ、気がついたら『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』が抜けてる気がしますが、まあ、あれ毛色違いますしね…。
…と、ここからはネタバレ満載なので、イヤな人は回れ右デス!
と言うワケで『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』以外の小説に共通してるのは…
1:関西を舞台にしている
2:歴史が結構重要なファクター
3:超能力が出て来る
4:恋愛がメインではない
5:タイトルが意味不明
…ってあたりでしょうか?
舞台は関西と指摘はしましたが、鴨川=京都、鹿男=奈良、トヨトミ=大阪と舞台は順繰りに移動しており、また、ゆるく世界観を共有してたりします。ま、今回は他の小説ネタは無かったような気がしますが…。
また、鴨川では陰陽師、鹿男では卑弥呼と邪馬台国、トヨトミでは大坂の陣がテーマだったりするわけで、自分としてはそこが好みですね。
超能力もそれに付随したモノで、なんだかSFみたいなかっこいい能力ではなく、昔からの因習まみれで間抜で、ちょっと便利だけど人にそれほど自慢出来ない能力が多いですね…。
恋愛がメインじゃないというのは万城目小説の魅力でもあると思いますが、映像化する時に無闇に男女逆転されちゃう原因のような気がします。鴨川以外まともに恋愛がネタになってないですしねぇ…。
タイトルは…今回の傾向はホルモーに似てますね。しゅららぼんは…まあ、超能力だってコトで良いと思います…投げやりですがw
で、今回の舞台は滋賀。そして滋賀と言えば琵琶湖、近江商人の末裔達の話です。伝奇的には滋賀と言えば甲賀!そして忍者じゃんか!と思うのですが、残念ながら近江商人です。
ただ、架空の街である石走の風景はナカナカ描写が微に入り細に入り湖畔の街っぽいですし、中でもトンデモ空間である日出本家もかなり具体的な描写があるのでてっきり本当にこう言う場所があるモンだと思って、Googleマップで灰皿のある裏山捜すとこでした…。
個人的には面白かったと思いますし展開にドキドキもしましたが、やはり恋愛はメインテーマではない上に、主人公の能力もパッとしません。映像化されるとおそらく、棗家の兄妹が入れ替わるか、最後の段でああなるのが妹ではなく兄の方になるんじゃないのかなぁ…などと、少しネタバレ気味に考えてみたりしますな…。まあ、多分ドラマ的にはエピローグもその方が盛り上がりますし。
まあ、ただ…結末のネタバレをすると、この話もループモノだったりするわけですが、時期的に魔法少女まどか☆マギカと重なった上に、向こうの方が設定が捻りが効いてる上に綺麗に風呂敷畳んだ感があるので、何とも残念な感じデスよねぇ…。メフィストフェレスがインキュベーターならぬ琵琶湖なのは良いにしても、ラストが男子高校生三人が感動の再会!って盛り上がらネェーよ!wwwww女性は何人か出て来るモノの、誰もヒロインじゃねーしww
と、後どうでも良いですが、ぽっちゃり気味という設定の日出本家の姉弟の脳内画像がどうしても地獄のミサワになってしまうんですが、なんか呪いでも受けたんですかねぇ…。
まどマギと比べるなんてすごい発想ですね、どちらも全然違う作品なのに逆に感心します^^;
はいどうも古い記事にコメントありがとうございます。