『大清帝国の形成と八旗制』メモ1 ─八旗を構成する氏族─

 と言うワケで、杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』名古屋大学出版会 をツラツラ読んでいました。要するにヌルハチからホンタイジに至るまでの「ダイチングルン」と「八旗制」については、おおよそこの本だけで用が足りてしまう素晴らしい本です。自分にとっては飛ばし読みすることが出来ない、中身の詰まった良著でした。個人的な感想にはなりますが、巻末の参考文献だけでも買う価値はあります。およそ、八旗制度についてはこの本を読むことがこれからの研究の原点となるはずです。これハードル高いわーどうすんだろホント。

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冰嬉

 長年の懸念事項である冰嬉に関する記事を見つけたのでメモ。
 と、最近冰嬉で検索するとコレばっかり引っかかるんですよね…。《後宮 甄嬛傳(邦題:宮廷の諍い女)》という人気ドラマの一シーンです。

 この動画の03:44頃から安陵容のフィギュアスケートが始まります。で、人気ドラマの有名なシーンで使用されたことで、割と冰嬉自体がメジャーになったようで、圓明園ではこんなアトラクションもやるようになったみたいですね…。

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愛新覺羅宗譜

 ネットでツラツラ検索していて、《愛新覚羅宗譜》についての記事を見つけたので、リンクを上げときます。

愛新覺羅宗譜─台灣Wiki

 内容に関してどの巻にどの系譜が載っているのか、ザッと載っていたので抜き出してみます。

學苑出版社1998年影印本31冊分卷內容如下:
甲冊1-4: 德宗景,穆宗毅,文宗顯,宣宗成,仁宗睿,高宗純,世宗憲,聖祖仁,世祖章,太宗文皇帝位下之子孫。
乙冊1-4: 太祖高皇帝位下:第1子貝勒褚英,第2子親王代善,第3子鎮國公阿拜之子孫。
丙冊1-4: 太祖高皇帝位下:第4子鎮國將軍湯古代,第5子鎮國莽古爾泰,第6子輔國公塔拜,第7子親王阿巴泰,第9子鎮國公巴布泰,第10子鎮國德格類,第11子鎮國巴布海,第12子鎮國阿濟格,第13子輔國公賴慕布,第14子親王多爾袞,第15子親王多鐸,第16子費揚果之子孫。
丁冊1-4: 顯祖宣皇帝位下第2子貝勒穆爾哈齊,第3子親王舒爾哈齊,第5子貝勒巴雅喇之子孫。
丁冊5: 玉牒之末:太宗文皇帝位下第1子武肅親王豪格之第5子溫良郡王勐峨之第3子延信此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第1子廣略貝勒褚英之第1子安平貝勒杜度之第6子追封懷愍貝子杜努文之第1子蘇努此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第2子禮烈親王代善之第1子克勤郡王岳托支下奉恩將軍興瑞之第1子全亮比支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第2子禮烈親王代善之第2子碩托此比支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第2禮烈親王代善之第3子穎毅親王薩哈之第1子阿達里此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第6子輔國厚公塔拜之第2子額克親之第6子額爾濟圖此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第7子饒余敏親王阿巴泰之第4子安郡王岳樂之第19子務爾占此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第5子莽古爾泰此支降為紅帶子,太祖高皇帝位下第10子德格類此支降為紅帶子。
戌冊1: 景祖翼皇帝位下:第1子武功郡王禮敦巴圖魯,第2子多羅慧哲郡王額爾袞,第3子多羅宣獻郡王齋堪,第5子多羅恪恭貝勒塔察篇古之子孫。
戌冊2: 興祖直皇帝位下:第1子德世庫 第1子 第1子素赫臣,第2子譚圖,第3子尼揚古之子孫。
戌冊3: 興祖直皇帝位下:第2子劉聞 第1子陸虎臣,第2子瑪英格,第3子門圖之子孫。
己冊1-5: 興祖直皇帝位下:第3子索長阿 第1子履泰,第2子務泰,第3子綽奇阿注庫,第4子龍敦,第5子飛永敦之子孫。
庚冊1-2: 興祖直皇帝位下:第5子包郎阿 第1子隋痕,第2子巴孫巴圖魯,第3子對秦第4子郎騰之子孫。
庚冊3: 興祖直皇帝位下:第6子寶實 第1子康嘉,第2子阿哈納,第3子阿篤齊第4子多羅郭齊之子孫。
索引1-2: 愛新覺羅·常林主編。
付錄: 星源吉慶

 この中でも特に宗室與覺羅の項目は注目に値するので、改行を加えて抜き出してみましょう。宗室の中でも罪を犯して民間人に落とされた支族を紅帯子ギョロ(准宗室)の中で罪を犯して民間に落とされた氏族を紫帯子と称したようですね。その中でも紅帯子十八支族を紹介しているのでメモ。

據《玉牒》統計,在宗室各支系中,先後有18個支系被降束紅帶子:
①顯祖塔克世三子舒爾哈齊長子阿爾通阿長子舒爾赫一支⇒シュルガチ(Šurgaci)の長子・アルトゥンガ(Alutungga)の長子・舒爾赫の支族。
②顯祖塔克世三子舒爾哈齊次子阿敏之孫塞克圖次子拉哈禮一支⇒シュルガチの次子・アミン(Amin)の孫・塞克圖の次子・拉哈禮の支族。
③顯祖塔克世三子舒爾哈齊次子阿敏次子愛度一支⇒シュルガチの次子・アミンの二子・アイドゥリ?(Aiduri?)の支族。
④顯祖塔克世三子舒爾哈齊六子濟爾哈朗之孫楊桑長子務能義一支⇒シュルガチの六子・ジルガラン(Jirgalang)の孫・楊桑の長子・務能義の支族
⑤顯祖塔克世三子舒爾哈齊九子腦岱一支⇒シュルガチの九子・腦岱の支族
⑥顯祖塔克世五子巴雅喇四子鞏阿岱一支⇒バヤラ(Bayara)の四子・ゴンガダイ(Gongadai)の支族
⑦顯祖塔克世五子巴雅喇五子錫翰一支⇒バヤラの五子・シガン(Sigan)の支族
⑧顯祖塔克世五子巴雅喇八子德瑪護一支⇒バヤラの八子・德瑪護の支族
⑨太祖努爾哈赤長子褚英曾孫蘇努一支⇒チュエン(Cuyeng)の曾孫・スーヌ(Sunu)の支族
⑩太祖努爾哈赤次子代善九世孫興瑞之子全亮一支⇒ダイシャン(Daišan)九世の孫・興瑞の子・全亮の支族
⑪太祖努爾哈赤次子代善次子碩托一支;ダイシャンの二子・ショト(Šoto)の支族
⑫太祖努爾哈赤次子代善三子薩哈廉長子阿達禮一支⇒ダイシャンの三子・サハリヤン(Sahaliyen)の長子・アダリ(Adali)の支族
⑬太祖努爾哈赤五子莽古爾泰一支⇒マングルタイ(Manggûltai)の支族
⑭太祖努爾哈赤六子塔拜之孫額爾濟圖一支⇒ダバイ(Dabai)の孫・額爾濟圖の支族
⑮太祖努爾哈赤七子阿巴泰四子岳樂十九子務爾佔一支⇒アバタイ(Abtai)の四子・ヨロ(Yolo)の十九子・務爾佔の支族
⑯太祖努爾哈赤十子德格類一支⇒デゲレイ(Degelei)の支族
⑰太祖努爾哈赤十六子費揚古一支⇒フィヤング(fiyanggû)の支族
⑱太宗皇太極長子豪格五子猛我三子延信一支⇒ホーゲ(Hooge)の五子・猛我の三子・ヤンシン(Yansin)

 この中で分かるのが逆に、天聰末年のマングルタイデゲレイ崇徳末~順治初年のショトアダリアイドゥリ順治半ばのゴンガダイシガン雍正初年のスーヌヤンシンくらいですから、半数しか分からないってコトですね。《欽定宗室王公功績表伝》の以罪黜宗室貝勒に伝がある、バヤラの二子・バイントゥも兄弟であるゴンガダイシガンとともに、順治帝ドルゴンのシンパとして罰せられたハズなんですが、嘉慶4年に子孫は宗室に戻されているみたいですね。
 てか、アルトゥンガすら《清史稿》では存在抹殺されているのに、その子供とか…とか、アイドゥリらしき人出てきたよ!とか、色々興味深いんですが取りあえず現物は来週見に行くので楽しみです。

アキナとサスヘ;追記1

 と言うワケで、前回ネタにしたアキナサスヘですが、ネットを検索し続けてたら、わりと色々あったのでお蔵出しをば。

雍正上台后把「八阿哥、九阿哥」改名为「阿其那、塞斯黑」,这两个名字是什么意思?

 これは、どうやら中国版の知恵袋とか小町みたいなページですかね。マンジュ熱が凄く熱い人の回答が常軌を逸していて勉強になります。内容については多分下に挙げてる様な論文がソースと言うコトになるかと思います。独自に辞書や上奏文などから画像も貼り付けていますし、読み応え有りますね。

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