乾隆帝の生母について─甄嬛のモデル、海寧陳氏の元ネタ─

円明園での一家

 さて、鈴木真センセの新作論文「雍正帝の后妃とその一族i」という論文が学術的に非常に興味深い上にドラマネタ的にも面白い話だったのでメモ。
 で、どんな内容かというと⇒ドラマ《后宫甄嬛传(邦題:宮廷の諍い女)》の中で、正藍旗漢軍旗人である主人公・甄嬛が宮廷から出て道観に出家?して、再度入内する際にニオフル氏に改称するシーンがありました。ドラマ見ていた時には、楊玉環⇒楊貴妃を下敷きにしたのかなぁ…と思っていたのですが、どうやらこれに元ネタがあったようです…。原作小説は清代がモデルではないので、テレビ版がどれくらい意識しているかは分かりませんけど…。

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  1. 『史境』71号 歴史人類学会 [戻る]

楊家将徒然

 というわけで、何となくTwitterで絡んでいる時に楊家将のドラマの話になりってですね…。日本語で楊家将を知ろうとすると、北方楊家将しか無いよねぇ…等という話になりまして。まあ、悪くはないけどどうもバイアス掛かりすぎで…って感じでして。まあ、それでも楊家将を知る手がかりってそうないよねぇ~と言う話をしていて検索掛けたら自分が過去に書いて吹っ飛ばした記事にリンク貼ってあったりですね…。いや~バックアップ取ってない文章だったので些か困りました。サルベージもできそうにないですねw
 そんなわけで、自分も楊家将は好きなので、折角だから思い出しがてらまとめてみようかなぁ…と思った次第。

 まず、楊家将サガが三国志ほどメジャーでないのは、まぁ…色々理由はあると思いますが、やはり決定的なテキストがないって当たりですかね…。
 現在楊家将演義と称されているテキストには大きく分けて二種類あります。これに講談やら京劇やらドラマやらの独自展開があって、内容についても様々なバリエーションがある上、第二世代第四世代以降の兄弟の人数や構成についてもマチマチです。また、大本の二種類のテキストでは結末が大きく違うのでこれもまた厄介です。
 それに、京劇では楊家将と言えば穆桂英!と言うくらいキャッチーなアイコン的キャラがいますが、テキストではそんなにウェイトが高いわけではありません。おそらくキャラが成熟しきった頃に成熟しきったテキストが出て来なかったモノでしょうけど、これでは折角京劇を見て興味を持った層がテキストを読んでもガッカリすること請け合いですね。
 それに、基本的には「報われない忠臣一家の話」なので、各世代ごとに基本的にバットエンドです。配役が変わるだけで結構既視感の強い展開であることは否めないですね。まあ、バットエンドが連続するワケなので、読んでいてハリウッド的なスカッと感に欠けます。まあ、これが売りなんで仕方が無いことではあるんですけど。
 あと、中国の古典小説は大河モノの場合はよく転生譚から始めるモノが多い中で、これは珍しく人間の物語として始まるわけですが、途中で《東遊記》と被る仙人の妖術合戦が入ってきます。三国志でも妖術合戦はありますが、どちらかというと水滸伝並みに前面に出て来る感じなので、ストイックな感じは薄れますね…。
 あと、明確な敵を設定出来なかったことも弱点だとは思います。第一世代第二世代契丹(遼)という圧倒的な敵が存在しますが、澶淵の盟締結後はこれを設定することが難しくなり、西夏に設定したり当時存在しなかった西番・新羅にしたりするわけです。
 水滸伝なら梁山伯全滅に向けたカタルシス、三国志なら蜀漢の滅亡、三国時代の終焉や諸葛亮の死といったカタルシスを結末に設定出来ますが、楊家将はそれを設定することが難しいわけです。個人的には穆桂英の事績を若い頃の佘塞花のエピソードにしちゃって、対契丹、対後周北宋のエピソード増やして、四郎失踪を北漢滅亡に繰り上げて、最終点を楊業の死と六郎による楊家府再興にするか、若しくは、寡婦西征澶淵の盟の後くらいに設定すればスッキリするのになぁ…と思ったりするんですがねぇ。

 ただ、楊家将の影響というのはバカに出来ないモノがあります。
 古いところでは《水滸伝》に登場する青面獣楊志楊家将の祖である楊業の後裔という設定です。後半に登場する十節度使闌路虎・楊温楊志とは別系統のようですが、楊家将の末裔という設定です。もっとも、彼自体は水滸伝よりも先に世に出た講談のヒーローだった様ですねi
 更に、《説岳》に登場する楊再興楊業の後裔という設定です。もっとも、楊再興は実在の人物で《宋史》にも伝はありますがii、特に楊業とは関係ない血筋のようです。
 あと、更に言えば金庸の小説《射鵰英雄伝》に登場する楊鉄心楊再興の曾孫…つまり、楊家将の末裔で得意技は楊家槍と言う設定になっています。なので、彼の偽名が穆易なのも、楊四郎木易と名乗ってからの伝統ですiiiw
 と言うコトで、血縁的には完顔康…つまり楊康楊家将の末裔なワケです。この辺は、忠臣として名高い楊家将の末裔が完顔を名乗り夷狄に与している!という仕掛けなんですね。正しく作用している設定とは言い難いと思いますが…。もっと自分の血筋と、育ててくれた完顔洪烈への恩との間で悩むようなドラマツルギーがあればよかったんでしょうけどねぇ。
 というわけで、楊康楊家将の末裔なら当然、《神鵰侠侶》の楊過楊家将の末裔です。ジュシェンの狗として死んだ親から、対モンゴル戦の英雄が生まれるという話になってるわけですね。

 と、あらすじ書く際の枕を書こうとしたら存外長くなったので、あらすじはまたの機会と言うコトで…。

  1. 《清平山堂和本》〈楊温闌路虎伝〉 [戻る]
  2. 《宋史》巻三百六十八 列伝第一百二十七 楊再興 [戻る]
  3. 木と穆は音通。穆桂英もテキストの方では木桂英と表記されてます [戻る]

武侠小説を武侠小説たらしめているモノ。

 いつものようにヒヨヒヨとTwitterをしていたらこんな記事がTLに…。

武侠小説が産み出された歴史的な背景を自分なりに考えてみましたら、結局はいきつくところは水滸伝の成立史と関わってくるようです。水滸伝もあれは武侠小説としか思えませんし1

 うーん…。武侠小説水滸伝にはかなり開きがあるような。と言うコトでちょっとかみついてみました。

@syouyouha 侠義小説と武侠小説をごちゃ混ぜにするのはあんまり関心せんですよ。水滸伝は武侠小説じゃないと思います。2

 と発言したモノの、ハテ…それまでの中国古典小説武侠小説を分けるモノは何だろう?…よくよく考えてみると武侠小説の定義…武侠小説武侠小説たらしめているモノは実はあんまり的確に定義されていないのではないか?と考えて、以下の特徴を挙げてみました。

1:必殺技
 主人公は何だかよく分からない流派のよく分からない剣術とか気功とか使う。物語の主要部分に秘伝書や秘訣が絡む場合があり、秘術を得れば後述の江湖世界を統一できるとかそう言うイメージで語られる。

2:江湖世界
 江湖と呼ばれるアウトロー世界が存在している設定。カタギとは違うヤクザな世界…なハズだけど庶民からも敬愛されてたりする。主人公や主要人物は宗教・政治・武術的な結社に所属している場合が多い。この場合、少林寺・武当山などは宗教、紅花会などは政治結社、これらが武術結社の色合いを濃くしているのは武侠小説。結社は禅宗寺院をモデルにして疑似家族の態をなし、字輩などで世代を表現する。

3:娯楽性
 武侠小説の大きな要素は恋愛要素。古典小説と比較して腫れた惚れたで生涯人のことを慕ったり恨んだりする話が多い。総じて愛憎の幅が広い。それに乗じて復讐譚も多い。また、宝探しネタも多く、時には秘伝書自体が宝物として捜索される話が多い。

4:中国
 金庸小説の場合、舞台が中国…大清版図(大理や契丹、西夏は大清の版図)。愛国心を鼓舞する内容になるコトが多い。主人公が反清組織に入っていたり、チベット僧が悪役の場合が多い。

 自分が武侠小説武侠小説たらしめているモノとして上げたのは以上四点。ただ、水滸伝との違いとしてあげるならコレも足して良いかも…。

倫理観
 水滸伝では無差別殺人をする人間でも、三度の飯より殺しが好き!と、英雄扱いする場合があるが、武侠小説では無差別殺人をする人間は妥当すべき悪として設定さてる。また、水滸伝では自由恋愛する女性は潘金蓮にしろ潘巧雲にしろマイナスに見られがち。ま、不倫なんだけど…。武侠小説では割と悲劇扱いされる。

 モヤモヤしてるのでまだちょっと続けるかもデス。

  1. syouyouha 逍遥派掌門相談役 段 さんの発言
  2. 自分の発言

Google日本語入力

 というわけで、実家に帰ってきたので、親のPC使って巷で噂のGoogle日本語入力を試してます。噂通り面白いですね。遊びすぎてTwiteerのタイムラインが漢字ばかりで埋まってしまいましたが。

 遊んだ結果を一応保守しておきます。思いついたキーワードガシガシ入れただけなので、あんまり参考にはならないと思いますが、面白いですね。

史書関係

司馬談。司馬遷。史記。史記集解。班彪。班固。班昭。漢書。陳寿。陳壽。三国志。後漢書。宋書。晋書。南斉書。梁書。陳書。魏書。北斉書。周書。隋書。北史。南史。くとうじょ。旧唐書。欧陽修。歐陽脩。新唐書。旧五代史。新五代史。脱脱。宋史。遼史。金史。みんし。清史稿。
春秋。左丘明。春秋左氏伝。春秋公羊伝。春秋穀梁伝。戦国策。司馬光。胡三省。資治通鑑。朱熹。資治通鑑綱目。通鑑紀事本末。りとう。続資治通鑑長編。大唐創業起居注。順宗実録。太宗実録。明実録。清実録。
八旗通志。鄭樵。通志。とゆう。つでん。通典。文献通考。王船山。王夫之。読通鑑論。趙翼。二十二史箚記。廿二史箚記。銭大昕。じゅうななししょうかく。

 意外に正史では明史が出ないのには驚きました。まあ、なんとなく一番言及されないという気もしますが。八旗通志とか普通に出てくる当たりちょっと感心。あと、流石に旧唐書は「くとうじょ」では出ませんでした。

文学関係

山海経。山海經。穆天子伝。穆天子傳。世説新語。志怪小説。唐宋伝奇。紅線。こう孫大娘。聶隠娘。

 公孫大娘が変な出方してたものの、聶隠娘がスラッと出てきてしびれましたな。

三国志

説三分。三国志平話。羅貫中。三国志演義。曹操。劉備。孫堅。孫策。孫権。太平道。張角。皇甫嵩。朱儁。袁紹。董卓。呂布。袁術。郭汜。李傕。張繡。荀彧。荀攸。郭嘉。張遼。徐晃。張郃。関羽。張飛。諸葛亮。龐統。甘寧。虞翻。凌統。

 かなりマニアックな人名でもスラッと出てきますね。李傕とか郭汜とかアホかって感じですが。とりあえず、鄧艾とか鍾会も出てきますし、何気に鍾繇も出ます。

西遊記

大唐三蔵取経詩話。呉承恩。西遊記。孫行者。孫悟空。花果山。大鬧天宮。斉天大聖。二郎神。哪吒。太上老君。如意棒。陳江流。三蔵。とうたいそう。魏徴。東海竜王。天蓬元帥。猪悟能。猪八戒。捲簾大将。沙悟浄。牛魔王。火焔山。はっこつせい。羅刹女。紅孩児。金角。銀角。芭蕉扇。

 李世民だとパッと出てくるのに、唐太宗だとなかなか出てきません。やっぱり廟号はちょっと苦手みたいです。でも、大鬧天宮が一発で出せるIMEはまともじゃないですね…。

水滸伝

大宋宣和遺事。施耐庵。水滸伝。水滸傳。金聖嘆。托塔天王晁蓋。及時雨宋江。智多星呉用。豹子頭林冲。小李広花栄。小旋風柴進。花和尚魯智深。行者武松。青面獣楊志。黒旋風李逵。九紋竜史進。とうかん。蔡京。高俅。楊戩。徽宗。田虎。王慶。方臘。

 あだ名コミコミでバスっと出てくるあたりおかしい。陶侃は出てくるのに童貫が…あれ、どうかんだと童貫でるのか!読み間違えてた!

金瓶梅

蘭陵笑笑生。金瓶梅。西門慶。潘金蓮。武大。ごげつじょう。りきょうじ。孟玉楼。そんせつが。りへいじ。

 自分もよく知らないけど、金瓶梅はあんまり強くないですね~。

紅楼夢

曹雪芹。紅楼夢。賈宝玉。林黛玉。薛宝釵。史湘雲。王熙鳳。大観園。史太君。かこうしゃ。賈迎春。りがん。賈元春。賈探春。

 金瓶梅に比べれば良く出てくる印象です。

田中芳樹の中国武将列伝

春秋時代⇒孫武。伍子胥(ごうん)。范蠡。超襄子(趙無恤)。
戦国時代⇒呉起。孫臏。楽毅。田単。廉頗。趙奢。信陵君(魏無忌)。李牧。
秦時代⇒白起。王翦。蒙恬。
漢楚争覇時代⇒項羽。張良。韓信。
前漢時代⇒周亜夫(周勃)。李広。えいせい。霍去病。趙充国。鄭吉。陳湯。
後漢時代⇒鄧禹。馮異。岑彭。馬援。班超。曹操。関羽。周瑜。
三国時代⇒司馬懿。陸遜。鄧艾。
東西両晋時代⇒杜預。王濬。陶侃。祖逖。謝玄。
南北朝時代⇒檀道済。韋叡。楊大眼。斛律光。蘭陵王(高長恭)。蕭摩訶。
隋時代⇒韓擒虎。劉方。張須陀。
唐時代⇒李靖。李勣(徐世勣)。秦叔宝(秦瓊)。うっちけいとく(うっちきょう)。蘇定方。薛仁貴。王玄策。裴行倹。高仙芝。郭子儀。りそ(りせい)。李克用。
五代十国時代⇒王彦章。周徳威。
宋・遼・金時代⇒曹彬。楊業(ようけいぎょう)。耶律休哥。穆桂英。狄青。宗澤。岳飛。韓世忠(梁紅玉)。宗弼(ウジュ)。虞允文。孟珙。完顔陳和尚。張世傑。
元時代⇒伯顔(バヤン)。郭侃。ここてむる。
明時代⇒徐達。常遇春。姚広孝(どうえん)。鄭和。于謙。王守仁(王陽明)。戚継光。袁崇煥。秦良玉。鄭成功。
清時代⇒ドルゴン。みんりゃん。楊遇春。李長庚。関天培。せんげりんちん。李秀成。石達開。劉永福。

 異民族系のココテムルドルゴンサンゴリンチンが出てこないのは仕方ないにしても、漢字は衛青尉遅敬徳が出ないくらいでほぼパーフェクト。これは…田中信者の仕業だな…。

武侠小説(金庸)

書剣恩仇録⇒こうかかい。総舵手。陳家洛。乾隆帝。ほちんとん。かすりー。ほんらいしゅ。文泰来。駱冰。じょてんこう。よぎょどう。りくひせい。
碧血剣⇒袁承志。夏青青。金蛇郎君。崇禎帝。阿九。李自成。李岩(李巌)。何鉄手。ホンタイジ。ドルゴン。
雪山飛狐⇒こひ。胡一刀。苗人鳳。苗若蘭。田帰農。
射雕英雄伝⇒郭靖。黄蓉。楊康。穆念慈。東邪・黄薬師。だんししんつう。西毒・欧陽鋒。蝦蟇功。南帝・一灯大師(段智興)。一陽指。北丐・洪七公。降龍十八掌。打狗棒。ちゅうしんつう・王重陽。老頑童・周伯通。えいこ。江南七怪・柯鎮悪。朱聡。かんほうく。なんきじん。ちょうあせい。ぜんきんはつ。かんしょうえい。焦木大師。梅超風。全真教。全真七子。馬鈺。丘処機。王処一。たんしょたん。りゅうしょげん。かくだいつう。孫不二。かんがんこうれつ。わんやんこうれつ。九陰真経。ぶぼくいしょ。
神雕侠侶⇒楊過。小龍女。獅子吼。李莫愁。金輪法王(きんりんこくし)。独孤求敗。かくふ。郭襄。かくはりょ。やりつせい。絶情谷。神雕侠。
飛狐外伝⇒こひ。程霊素。袁紫衣。福康安。
倚天屠龍記⇒倚天剣。屠龍刀。張三豊。武当山。ちょうすいざん。明教。殷素素。張無忌。趙敏。峨眉山。周芷若。いんり。小昭。金毛獅王・謝遜。しさんりゅうおう。ようふかい。こうみょうさし・楊逍。こうみょううし・はんよう。
鴛鴦刀
白馬嘯西風
連城訣⇒空芯菜。狄雲。戚芳。戚長発。ばんれいざん。万圭。梅念笙。丁典。凌霜華。血刀老祖。落花流水。水笙。
天龍八部⇒丐幇。喬峯。蕭峯。あしゅ。あし。大理国。だんよ。段正淳。木婉清。しょうれい。慕容復。王語嫣。まんださんそう。游担之。虚竹。天山童姥。耶律洪基。完顔阿骨打。悪貫満盈・だんえんけい。ようじじょう。南海鰐神。
侠客行⇒石破天。
笑傲江湖⇒五嶽剣派。華山派。君子剣。偽君子。岳不羣。しかこう。しかひきゅう。寧中則。令狐冲。小師妹。岳霊珊。ふくい鏢局。林平之。りんえんと。辟邪剣譜。風清揚。独孤九剣。嵩山派。左冷禅。りくはく。ひひん。恒山派。定逸師たい。儀琳。こうざんは。莫大先生。劉正風。少林寺。方証大師易筋経。武当山。田伯光。せいじょうは。余滄海。日月神教。葵花宝典。東方不敗。ようれんてい。曲洋。じんえいえい。じんがこう。吸星大法。
鹿鼎記⇒韋小宝。しょうけいし。康熙帝。しょうげんし。建寧公主。順治帝。ぎょうち。かいだいふ。天地会。陳近南。ていこくそう。もくけんぺい。ほうい。双児。九難。ちんあか。かてきしゅ。呉三桂。ごおうゆう。陳円円。神龍教。四十二章経。
越女剣

 力尽きた…。意外に胡斐とか任盈盈が入ってないと思えば、思いもしない人が入ってたりして基準が分からないですね。

 と、続くかどうかはともかく一旦ここでおしまい。

追記:その後、ちょっとだけ遊びました。

武侠小説(古龍)

かんかせんけん⇒ほうほうぎょく。小公主。こふしゅう。
大旗英雄伝⇒てつちゅうとう。うんそう。水霊光。温黛黛。
ぶりんがいし⇒しんろう。おうれんか。ゆうびょうじ。
絶代双驕⇒こうしょうぎょく。小魚児。花無缺。鉄心蘭。そいん。小仙女。張菁。燕南天。激月きゅうしゅ。れんせいきゅうしゅ。ぼようきゅうまい。ときょうきょう。ははじ。こうべつかく。こうぎょくろう。
楚留香伝奇(けつかいひょうか、大沙漠、画眉鳥、しゃくしへんこん、蝙蝠伝奇、桃花伝奇、新月伝奇、ごやらんか)⇒楚留香。そようよう。りこうしゅう。そうてんじ。こてつか。
多情剣客無情剣⇒小李飛刀。しょうりたんか。りじんかん。あひ。りんせんじ。そんしょうこう。りゅうしょううん。じょうかんきんこう。けいむめい。
しょうじゅういちろう
歓楽英雄⇒かくだいじ。おうどう。えんしち。りんたいへい。
流星胡蝶剣⇒こうろうだい。もうせいこん。ようしょう。
辺城浪子、くがつようひ、てんがいめいげつとう⇒ようかい。傅紅雪。ていれいりん。
りくしょうほうでんき(きんほうおうちょう、しゅかたいとう、決戦前夜、ぎんこうとぼう、ゆうれいさんそう)⇒りくしょうほう、花満楼、せいもんすいせつ、しくうてきせい

 古龍は弱め。

金庸を読まない人生なんて…

 金庸小説は読まないと人生大いに損するらしい。うーん…。読むと人生が豊かになるかも知れないけど、読まなくてもさして損はしないと思うんだけどなぁ…。世の中面白いものなんて溢れるほどあるんだし…。

隣の部署の人が、金傭を読んだことがないといったら、それは人生を損している!と叫ばれてしまった。1

大いに損しています(キッパリ)。2

 自分は武侠小説に深入りしていたくせに、実はあんまり熱中して読んでたわけではありません。ドラマも途中で投げ出したの多いですしね。深くはまり込めるほど面白くなかったというのが、まあ、実際のところですかね。金庸も全部読んでないです。これがSF小説の世界なら自分、自己批判させられてロケット帽被せられてますよ…。
 で、正直、武侠小説って日本では受け入れられる層は広いとは思えないし、三国志が好きな人がみんな武侠小説が好きだ!っていうぐらい裾野が広がるとも思えないです…。日本だと、ものすごく狭い層でニヤニヤしながらネタにされるニッチなジャンルだと思われ…。まあ、漢族の大衆文化とか大衆のメンタリティーを知るには良い教材だとは思いますが。

 ただ、美少女キャラの書き分けについては確かに特筆すべき点があると思います。あの時代にすでにツンデレ(任盈盈)やヤンデレ(殷離)、メイド(双児)に男装(ホチントン)に綾波(小龍女)までカバーしてるわけですから、現代日本の萌はすでに五十年前の香港で金庸と言う偉大なロリコン小説家が通り過ぎた場所だと言えます。ただ、同じ武侠小説でも古龍の小説に出てくる女性のような深みのあるキャラがいないのが残念ですが…。

 だから、金庸あたりはきれいな絵をつけてハーレムラノベとして売り出せば、勘違いして買う人は多いんじゃないかと思うんですけどね。《鹿鼎記》あたりだと…。

 と言うワケでこの項はとあるつぶやきから派生(事後承諾)。