告白
と言うワケで『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』の中島哲也監督の『告白』を見に行きました。何というか…ものすごくエグイお話です。R15映画なのも納得。いつもの中島映画ではないのですが、成る程中島監督だ…と納得。人を呪わば穴二つ…と言う言葉も浮かびつつ、最後には何だか爽快という不思議な映画でした。と、以下ネタバレです。
◇適当なあらすじ◇
高校教師・森口悠子は担当クラスの教室で教職を辞することを生徒に告げる。理由は愛娘・愛実の死。そしてそれは事故ではなく事件、殺人事件であり犯人はクラスメイトの中にいるという。少年Aと少年Bとしながらもクラスメイトには分かる形で淡々と告白する森口は、愛実が誤ってプールに転落したという警察の捜査を蒸し返すことはしないという。しかし、娘を殺した者達を許さないと、少年達に復讐を宣告するのだった…。
とにかく表現がエグくて、中学校にありがちな陰湿ないじめの手段がこれでもかこれでもか!と出てきます。学園モノではありますが、人死にが出てきます。おまけにスプラッタ映画でもないのに血がドバドバ流れます。テレビで見るような凶悪犯罪の再現ドラマのようなシーンが山積みで胸くそが悪くなります。なので万人に対しておすすめできる映画ではありません。性的な表現はそんなにありませんが(精々がミニスカに泥が掛かるシーンが何だかやたらエロいくらい)、納得のR-15映画です。
ですが、神経磨り減らしながら合法的に(倫理的ではありませんが)復讐を果たす森口悠子の鬼気迫る描写は、松たか子の確かな演技力を感じさせました。ラストシーンまで息詰まりました。感服するしかないですね…。ラストの「なんてね?」は背筋が凍りました。少年法の理不尽を正にドッカーン!と打ち砕く凄いキャラクターです。
子供側も誰にも肩入れできない見事さでしたね。少年Aも少年Bも救いがたいワケですが、それなりに説得力あってリアリティーがあります。成る程こう来ちゃうのか!今の子ならAKB48聞くよねwwミヅホもああいう女子高校時代にいたなぁ~と言う感じで…。冷蔵庫恐いデス。
木村佳乃の母親振りもステレオタイプのモンスターペアレントでしたが、身勝手な人としてナカナカ説得力あるという…。
ウェルテルもウザさ満点でしたけど、この人悪い人じゃないんですよねぇ…。ウザイだけで…。でも、この人がキャストで三人目に来るのは何か違うんじゃないかなww
ほぼモノローグだけで構成されているという原作に沿う形で、それぞれの登場人物の告白…という形で話は展開してきます。モノローグをああいう形で処理するんだ…というのが流石は中島哲也監督という所。精神に異常をきたした人物のシーンは流石は中島監督という秀逸の出来でした。もっとも、そこしか”いつもの中島監督”は出て来ないんですけど。
それにしても、現代の復讐モノとしては実に傑作ですね。ちょっと『絡新婦の理』を思い出しました。それにしても松たか子凄い。実に怖い。人には勧めませんけど自分は面白かったデス。どういう勧め方したらいいのか検討つかないので…。
あと、関係ないですけど、パンフレット買ってフンフン見てたら、エライ老けてると思った少年Aの母親と父親が自分よりも年下だった…。結構ショックだけど、自分も13歳の子供がいてもおかしくない年だったことを思い出したりしたのでした。Oh!No!
と、一応、原作小説を買ってきたんですが読めるような心境になるまで時間が掛かりそうです。結構重たかったですよ。