NHKドラマ 蒼穹の昴 第一回 紫禁城
と言うワケで、NHK-BS hiで01/02から始まった辮髪ドラマ、『蒼穹の昴』です。………。NHKと北京華録百納影視有限公司との共同制作で、全二十五回。文庫本四冊の話をどうドラマ化するんだろうとは思っていたものの…。これはちょっとなんだか残念な感じがするんですが…。
とりあえず、時系列がビュンビュン飛ぶので春児(李春雲)・玲玲兄妹と梁文秀の関係を書いておかないと、後々面倒というか『中原の虹』で出てくる李春雷の立場が無いというか…。
あの一話目では分かりづらいのですが、小説では春児・玲玲兄妹は極貧家庭で糞拾いをして生計を立てていました。梁文秀は春児らの家の近所に住む富豪の息子ですが、春児と意気投合して義兄弟になります。もちろん、大哥とか呼ばれてても春児・玲玲兄妹と梁文秀には血のつながりはありません。
と言うか、科挙を受けるまで梁文秀は血反吐吐くような辛い思いをしたはずなんですが…。ああいう風にサラッとやられちゃうと、状元になって泣き叫んだり出来ないと思うんですが…(ドラマ版でカットされるとそれはそれで泣ける…)。
また、春児の自宮シーンも何のこっちゃか分からないシーンになってしまい、悲壮感がまるで沸いてきませんね。あそこって、性器を自ら切り取る!という実にクレイジーな博打を打たないと、生活出来ないという没法子(どーしよーもない)さが伝わってこないというか…。
まあ、田中裕子は元々似てるので慈嬉太后は安心して見れます。光緒帝とか隆裕皇后とか李蓮英あたりの人たちは…まあ外してはいないと思うんですけど、この調子で李鴻章とか袁世凱とか出てきたらなんだか、『坂の上の雲』に出てきた人たち使えば良かったのに…と言うコトになりかねませんね…。あと、珍妃が隆裕皇后並に面白い顔だったらどうしようかしら…とか、そもそも珍妃いないことになってたらどうしよう…とか言う不安が拭えんワケですが…。
辮髪的には貧乏人表現なんでしょうけど、春児が今時珍しいGガンの東方不敗のような髪型だったのがいただけないのですが…。まあ、後々太監になって宮殿に入る頃にはビッチリ剃り上げるんでしょうけど、もうちょっと草ボウボウみたいな髪型で汚らしくないと説得力がないというか…。というか、何で吹き替えじゃなくて字幕なんだろうと思いつつ(台詞と訳の違いに若干のイライラ感がつきまとうので…)、期待します。漢語音声が入ると、それはそれで何で光緒帝は慈嬉太后のことを親爸爸なり老仏爺と呼ばないんだろうとか、宦官以外もみんながみんな奴才って言うのはどうだろうとか、色々言いたくもなるんですが…。
ともあれ、新春大型辮髪ドラマですし、大好きな小説原作のドラマなんで、最終回まで追っかけます。
コスプレ写真
写真1中央は周りに”老仏爺”と呼ばせた慈嬉太后の観音コスプレ写真です。ちなみに右で合掌している人物が総管太監・李蓮英です。で、ちなみに左は慈嬉太后お気に入りの親族・四格格。徳齢公主(笑)の著書によると、慈嬉太后の写真は全て徳齢の兄である勲齢が撮影した…と言うコトですから、この写真も勲齢が撮ったものでしょうか…。
ちなみに日中合同制作なので、《苍穹之昴》とかで検索すると大変なコトになってしまいますね…。
あと、ミセス・チャン役の殷桃って范冰冰に似てるんですが、ああいう顔が大陸の人気女優なのだなぁ…と納得。この人他のドラマで楊貴妃やってるみたいですね。
- 《故宮珍蔵人物照片薈萃》紫禁城出版P.43 ↩