《瀋陽状啓》八月二十六日
さて、清初を扱った論文を読んでいると、《瀋陽状啓》という書名にぶち当たることがあります。これ何かというと、瀋陽=ムクデン・ホトンに人質として抑留させられていた李氏朝鮮の世子…つまり王太子である昭顕世子が朝鮮王・仁祖に提出していた報告書ですね。存在は知っていたモノどういった性質の書物かよく分からず、興味はあったのですがほったらかしにしてたんですが、サクッと検索したところ国立国会図書館のデジタルアーカイブに戦前の本が登録されてるのをうっかり発見しました。
戦前の帝大であった京城帝国大学の法文学部の出版ですね。どうやら朝鮮王朝の奎章閣に保管されていた書簡を校訂して出版したようです。影印が巻頭に載っていますが、これを解読するのはさぞ骨が折れたと思います。しかも、純粋な漢文ではなく朝鮮王朝で使用された漢文なので、朝鮮語発想で書かれた文章は非常に読みにくいです。これは日本で書かれた漢文も日本語発想で書かれているので却って読みにくいのと同じことでしょうね。語尾に謎の文字列が登場しますが、あまり気にしない方向で読み飛ばしました。
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