それは康煕帝…

 一番大きな画像は康煕帝…。ちなみに、サザビーズに出品されるのは乾隆帝の『八征耄念之寶』…在位五十五年、傘寿八十歳を記念して作られた玉爾です。判子大好き皇帝の乾隆帝がいろいろ持ってた玉爾の内の一個だとは思うんですが、十二支噴水と同じような愛国アイテムになり得るんでしょうかねぇ…。でも、この程度で大騒ぎだと、まかり間違って日本に『十全老人之寶』があるとか言うのが報道されたら、デモの洪水が藤井斉成会有鄰館に殺到するんですかね…。

乙嫁語り 1

 と言うワケで、今更ですが森薫『乙嫁語り 1』BEAM COMIX を購入しました。一緒に買ったのが田丸浩史『ラブやん 12』アフタヌーンKC と、田丸浩史『レイモンド 3』ドラゴンコミックス の田丸祭りに紛れた感があるのが些か心残りではありますが…。
 自分は世のメイドさん愛好家をうんうん唸らせたと言う『エマ』は読んでいないので、おお~中央アジアモノだ!と前から注目していたので、コミックスが出た段階で食らい付きました。面白いですね。読んでいて何となく、石坂版シルクロードを思い出しました。いきなり結婚式から始まるあたりこう…なんか思い出しますよね。

 と言うワケで、基本はチュルクというかトルコの部族のお話で、主人公は二十歳で十二の男子に嫁いできたおなごさん=アミルです。この時代、十代で嫁ぐのが通例だったので旦那のカルルクの方がまだしも適齢期だったようですね。でも、アミルさんは弓が上手、姐さん女房、何でもさばける(鳥とか兎とか)、野生、天然、強い、でも乙女、でもお嬢様という作者の方が好きなモノを全部詰め込んだキャラ…みたいですね。まあ、自分も好きですけど…清々しいほどに。
 で、部族間の色々なゴタゴタにこの初々しいカップルが巻き込まれていく話…のようですが、基本的にはカルルクの大家族と嫁・アミルとの交流がこの巻ではメインという感じですかね。それより何より、自分は中央アジアに詳しいわけではないのですが、こう考証がビシッと決まってて、建築とか服装にウソがなさそう漫画って気分良いですね~。サービスカット的にアミルの下着姿とか、裸ん坊も出て来るわけですが、むしろ下着にも考証が及んでいるのか!とか、裸ん坊でも装飾品はつけたママなんだなぁ~とか、そっちの方がサービスに感じてしまえるくらいです。まあ、自分としては兎に射かけるアミルさんとか、馬の鞍の上に立つアミルさんとか、兎をさばくアミルさんの方がサービスでした…眼福。
 にしても、アミルも格好いいんですが、その兄のアゼルが服装からしてチュルクっぽくてええデスねぇ…。三つ編み垂らしてるあたりも良いです(19世紀の中央アジアの話ですから、辮髪ではないと思いますけど)。
 ともあれ、二巻が楽しみですね。同じ歴史物漫画では、アシェラッド亡き後の『ヴィンランド・サガ』は盛り下がるでしょうから、コッチに期待しましょう。生の意味と死の意味を教えてくれて、死ぬべき場所を提供してくれると良いんですけど…(あの展開だとクヌート王も出てこないでしょうしねぇ…)。

北京古建築地図 目次

 中国のamazon…というかJOYO.COM(卓越網)で遊んでいたら、先日紹介した《北京古建築地図(上冊)(中国古代建築知識普及与伝承系列叢書•北京古建築五書)》精華大学出版社 が売っていたので、思わずリンク。更に、目次があったのでコピペしてみようかと…。

目録
一、北京旧城古建築分布
二、分片索引
三、交通簡図
四、北京古城史略
五、北京古建築分片導覧

(一)皇城:
皇城概述/ 1故宮(紫禁城)/2天安門/3太廟、社稷壇/4景山/5北海、団城/6中南海/7大高玄殿/…………/35普勝寺
(二)皇城外東片
皇城外東片概述/ 1馬輝堂/2什錦家園19号院四合院/3原中法大学/4麟慶宅(半畝園)/5美術館東街25号四合院/6俊啓宅/7東四清真寺/8老舎故居/…………/15北京飯店初期建築
(三)皇城外西片
皇城外西片概述/ 1礼王府/2洵貝勒府/3国立蒙藏学校旧址(鎮国公綿德府)/4儀親王府/
(四)内城南片(1)
内城南片(1)概述 /1正陽門及箭楼/2淳親王府/3原麦加利銀行/…………/25北京内城東南角楼/26明城墻遺址(東部)/
(五)内城南片(2)
内城南片(2)概述 /1明城墻遺址(西部)/2醇親王府/3李大釗故居/…………/16中国農工銀行旧址/17保商銀行旧址/
(六)内城北片(1)
内城北片(1)概述 /1北京鐘鼓楼/2万寧橋/3那王府/4楊昌済故居(豆腐池毛主席故居)/…………/35旧式鋪面房/36為宝書局
(七)内城北片(2)
内城北片(2)概述 /1德勝門箭楼/2匯通祠(乾隆御製詩碑)/3三官廟/…………/36保安寺/37地安門西大街/
(八)内城東片(1)
内城東片概述 /1雍和宮/2柏林寺/3前永康衚衕7号四合院(徐海東、陳毅故居)/…………/16恒親王府/17南豆芽清真寺/
(九)内城東片(2)
内城東片(2)概述 / 1礼士衚衕129号四合院/2内務部街11号四合院(明瑞府、六公主府)/3史家衚衕51号四合院(章士釗故居)/…………/14協和医院住宅群/15寧郡王府/
(十)内城西片(1)
内城西片(1)概述 /1西堂(天主教聖母聖衣堂)/2前公用|衚衕15号四合院/3魁公府/4玉皇閣/…………/20西四転角楼/21元大都下水道/
(十一)内城西片(2)
内城西片(2)概述 /1万松老人塔/2民国地貭調查所/3普寿寺/4斉白石故居/5呂祖閣(呂祖宮)/6鄭王府/7都城隍廟後殿(寝祠)/
(十二)前門外西片
前門外西片概述 /A前門地区/B前門大街/C大柵欄街区/1塩業銀行旧址/2交通銀行旧址/3勧業場旧址/…………/37林白水故居(重建)/38京華印書局
(十三)前門外東片
前門外東片概述 /A鮮魚口街区 /1京奉鉄路正陽門東車站旧址/2福建汀州会館北館/3陽平会館戯楼/4奮章衚衕53号四合院(郝寿臣故居)/5新開路(新革路)20号四合院/6興隆街52号四合院(伝為李蓮英故居)/7金台書院/8薬王廟/
(十四)外城南片
外城南片概述 /1天壇/2先農壇/3正陽橋疏渠記方碑/4永定門(復建)/5燕墩(煙墩)/6湖広会館/7南海会館(康有為故居)/8中山会館/9三聖庵/10陶然亭、慈悲庵/11雲絵楼、清音閣/
(十五)外城西片
外城西片概述 /1報国寺(含顧亭林祠)/2長椿寺/3瀋家本故居/4楊椒山祠松筠庵/…………/12崇效寺藏経閣/13国民政府財政部印刷局旧址/
(十六)外城東片
外城東片概述 /1隆安寺/2袁崇煥祠、墓和廟/3花市清真寺/4花市火神廟/5南崗子天主教堂(聖德肋撒堂)/6法華寺/7夕照寺/

六、附録
(一)北京旧城区旅行資訊
(二)北京古代建築常見術語解説
(三)参考資料
(四)図片来源

 自分くらいの変質者になるとこれくらいでワクワクできますよ。

西太后“稀代の悪女”その真実

 ボサッとしてたら、NHKで慈嬉太后の特番をやっていた模様。

  •  とりあえず、録画して見てみました。どうせ、希代の悪女!とかナンとか言ってまたドジャーン!ツボからあの女の首が!みたいな番組なんだろうナァ…と思ったら、『西太后 大清帝国最後の光芒』中公新書 の加藤徹センセがゲストの上に、存外まともな構成でビックリ。『蒼穹の昴』の番宣かなぁ…とも思いますが、かなり慈嬉太后よりの構成でした。ナカナカ興味深かったです。
     慈寧宮ってそう言えば姥捨て山って言うか、子供を産めなかった女の人達が集まる場所だったなぁ…とか思い出したり、実際にスタジオに運ばれた中華料理…というか満漢全席うまそー!(駱駝のこぶの蒸し物とか蝶鮫とか)とか、慈嬉太后の本名が杏貞と紹介されてるのは、どんな根拠なんだろう~とか、慈嬉太后は写真を撮るときには必ず咸豊帝に貰ったイヤリングをしたとか(初耳~)、色々楽しめました。
     でも、徳齢の証言って面白いのが多いものの、学術的にはあんまり評価されないと聞いたんですが(矛盾とか飛躍が多いとか何とか)、何処まで信用して良いのかしら…とか、慈嬉太后の妹の子孫を”西太后の末裔”とか、珍妃の母親の妹の子孫を”珍妃の末裔”と称するのは…ちょっとどうかと思いますが…。血のつながりないジャン!一族の末裔だよ!なんて思ったりもしましたが…。

     と言うワケで、2008年11月に北京に行ったときの写真御蔵出し…。消しちゃったので再掲載。

    珍妃井のキャプション

    驚くほど小さい珍妃井

    精衞通誠

    珍妃井の向かいにある…けどあんまり人がいない場所

     更に、珍妃?と言われる写真だけど、あんまり紹介されていない写真も再掲。別人だという説でもあるんですかねぇ…。

    故宮周刊 第三十期 第一版→劉宮女の証言では南海で撮影されたという

     ま、このネタも案外好きなんですよと。