Googleさんがキレた

 ニュースを見て試してみた。

Google中国で天安門事件画像がザックザク!

Google中国で天安門事件画像がザックザク!

 ええ~?

Google中国でダライ・ラマ画像がザックザク!

Google中国でダライ・ラマ画像がザックザク!

 ほんとだ!

Google中国で雪山獅子旗画像もザックザク

Google中国で雪山獅子旗画像もザックザク

 これも!

キョック・バイラックも画像でウハウハ

キョック・バイラックも画像でウハウハ

 これまでも!

コレも出てくる法林功

コレも出てくる法林功

 スゲーなぁ…。やり放題だ…。

 今まで中国での検閲の受け入れる等、屈従外交を強いられていたGoogleさんがいよいよキレた…。でも、一企業が中国から撤退と言うだけで凄いニュースだなぁ…。やはり自分の中ではGoogleさんは東インド会社(オランダもイギリスも)とイメージがかぶるんだけどなぁ…。

追記:A new approach to China
訳文のある記事→Google、中国からの大型サイバー攻撃に中国市場撤退も
 一応Google公式Blogも上げときましょう。とりあえず、中国の精鋭スーパーハカー相手でもG-mailのセキュリティーは抜けなかった!という良い宣伝には…なるのかなぁ…。

三上

 学生時代に授業中に恩師が語ったトピックの中で、とりわけ印象に残っているのが歐陽脩の三上という話。アイデアを練るときには、鞍上枕上厠上…つまり、移動中、就寝前、トイレの中がよろしい…というのが印象に残っていたのだけど、出典が分からずモヤモヤして十数年…。今日思い立って検索してみました。

錢思公雖生長於富貴,而少所嗜好。在西洛時,嘗語僚屬曰:「平生惟好讀書。坐則讀經史,臥則讀小說,上廁則閱小辭,蓋未嘗頃刻釋卷也。」
謝希深亦言:「宋公垂同在史院,每走廁,必挾書以往,諷誦之聲琅然聞於遠近,其篤學如此。」
余因謂希深曰:「余平生所作文章,多在三上,乃馬上、枕上、廁上也。」蓋惟此尤可以屬思爾。 1

 鞍上だと思ってたのは馬上だった模様。あと錢思公呉越王族の末裔である銭惟演の事ですね。元になった文章をざらっと見るに、便所に本を持ち込んで…と言うのは今日的な感覚で言うとあまりお行儀がよろしくないと思うモノの、どうやら勉強熱心だなぁ…という文脈で語られている模様。トイレに本を持ち込むのと、トイレで文章を練るのは同列で語れないと思うんですけど…。でも、モノを考えるのは移動中、就寝前、トイレの中というのは何となく理解できます。
 ネット上ですらこの文章について、余平生所作文章だったり余生平所作文章だったり引用もまちまちだったりするあたり混乱しました。そもそも、全文上げてるところ自体が少なかったですしね。
 また同じ《歸田録》にこんな記事も…。

契丹阿保機當唐末五代時最盛。開平中屡遣使聘梁。梁亦遣人報聘。今世傳李琪金門集有賜契丹詔。乃爲阿布機。當時書詔不應有誤。而自五代以來。見於他書者皆爲阿保機。雖今契丹之人。自謂之阿保機。亦不應有失。又有趙志忠者。本華人也。自幼陷虜。爲人明敏。在虜中舉進士。至顯官。既而脱身歸國。能述虜中君臣世次山川風物甚詳。又云。阿保機虜人實謂之阿保謹。未知孰是。此聖人愼於傳疑也。 2

 まあ、契丹の音を無理矢理漢語に直しているのだから、阿保機だろうが阿布機だろうが阿保謹だろうがそう変わりが無い気もしますが、なんだかこだわってますねぇ…。

  1. 歐陽脩《歸田録》巻二
  2. 歐陽脩《歸田録》巻二

Google日本語入力

 というわけで、実家に帰ってきたので、親のPC使って巷で噂のGoogle日本語入力を試してます。噂通り面白いですね。遊びすぎてTwiteerのタイムラインが漢字ばかりで埋まってしまいましたが。

 遊んだ結果を一応保守しておきます。思いついたキーワードガシガシ入れただけなので、あんまり参考にはならないと思いますが、面白いですね。

史書関係

司馬談。司馬遷。史記。史記集解。班彪。班固。班昭。漢書。陳寿。陳壽。三国志。後漢書。宋書。晋書。南斉書。梁書。陳書。魏書。北斉書。周書。隋書。北史。南史。くとうじょ。旧唐書。欧陽修。歐陽脩。新唐書。旧五代史。新五代史。脱脱。宋史。遼史。金史。みんし。清史稿。
春秋。左丘明。春秋左氏伝。春秋公羊伝。春秋穀梁伝。戦国策。司馬光。胡三省。資治通鑑。朱熹。資治通鑑綱目。通鑑紀事本末。りとう。続資治通鑑長編。大唐創業起居注。順宗実録。太宗実録。明実録。清実録。
八旗通志。鄭樵。通志。とゆう。つでん。通典。文献通考。王船山。王夫之。読通鑑論。趙翼。二十二史箚記。廿二史箚記。銭大昕。じゅうななししょうかく。

 意外に正史では明史が出ないのには驚きました。まあ、なんとなく一番言及されないという気もしますが。八旗通志とか普通に出てくる当たりちょっと感心。あと、流石に旧唐書は「くとうじょ」では出ませんでした。

文学関係

山海経。山海經。穆天子伝。穆天子傳。世説新語。志怪小説。唐宋伝奇。紅線。こう孫大娘。聶隠娘。

 公孫大娘が変な出方してたものの、聶隠娘がスラッと出てきてしびれましたな。

三国志

説三分。三国志平話。羅貫中。三国志演義。曹操。劉備。孫堅。孫策。孫権。太平道。張角。皇甫嵩。朱儁。袁紹。董卓。呂布。袁術。郭汜。李傕。張繡。荀彧。荀攸。郭嘉。張遼。徐晃。張郃。関羽。張飛。諸葛亮。龐統。甘寧。虞翻。凌統。

 かなりマニアックな人名でもスラッと出てきますね。李傕とか郭汜とかアホかって感じですが。とりあえず、鄧艾とか鍾会も出てきますし、何気に鍾繇も出ます。

西遊記

大唐三蔵取経詩話。呉承恩。西遊記。孫行者。孫悟空。花果山。大鬧天宮。斉天大聖。二郎神。哪吒。太上老君。如意棒。陳江流。三蔵。とうたいそう。魏徴。東海竜王。天蓬元帥。猪悟能。猪八戒。捲簾大将。沙悟浄。牛魔王。火焔山。はっこつせい。羅刹女。紅孩児。金角。銀角。芭蕉扇。

 李世民だとパッと出てくるのに、唐太宗だとなかなか出てきません。やっぱり廟号はちょっと苦手みたいです。でも、大鬧天宮が一発で出せるIMEはまともじゃないですね…。

水滸伝

大宋宣和遺事。施耐庵。水滸伝。水滸傳。金聖嘆。托塔天王晁蓋。及時雨宋江。智多星呉用。豹子頭林冲。小李広花栄。小旋風柴進。花和尚魯智深。行者武松。青面獣楊志。黒旋風李逵。九紋竜史進。とうかん。蔡京。高俅。楊戩。徽宗。田虎。王慶。方臘。

 あだ名コミコミでバスっと出てくるあたりおかしい。陶侃は出てくるのに童貫が…あれ、どうかんだと童貫でるのか!読み間違えてた!

金瓶梅

蘭陵笑笑生。金瓶梅。西門慶。潘金蓮。武大。ごげつじょう。りきょうじ。孟玉楼。そんせつが。りへいじ。

 自分もよく知らないけど、金瓶梅はあんまり強くないですね~。

紅楼夢

曹雪芹。紅楼夢。賈宝玉。林黛玉。薛宝釵。史湘雲。王熙鳳。大観園。史太君。かこうしゃ。賈迎春。りがん。賈元春。賈探春。

 金瓶梅に比べれば良く出てくる印象です。

田中芳樹の中国武将列伝

春秋時代⇒孫武。伍子胥(ごうん)。范蠡。超襄子(趙無恤)。
戦国時代⇒呉起。孫臏。楽毅。田単。廉頗。趙奢。信陵君(魏無忌)。李牧。
秦時代⇒白起。王翦。蒙恬。
漢楚争覇時代⇒項羽。張良。韓信。
前漢時代⇒周亜夫(周勃)。李広。えいせい。霍去病。趙充国。鄭吉。陳湯。
後漢時代⇒鄧禹。馮異。岑彭。馬援。班超。曹操。関羽。周瑜。
三国時代⇒司馬懿。陸遜。鄧艾。
東西両晋時代⇒杜預。王濬。陶侃。祖逖。謝玄。
南北朝時代⇒檀道済。韋叡。楊大眼。斛律光。蘭陵王(高長恭)。蕭摩訶。
隋時代⇒韓擒虎。劉方。張須陀。
唐時代⇒李靖。李勣(徐世勣)。秦叔宝(秦瓊)。うっちけいとく(うっちきょう)。蘇定方。薛仁貴。王玄策。裴行倹。高仙芝。郭子儀。りそ(りせい)。李克用。
五代十国時代⇒王彦章。周徳威。
宋・遼・金時代⇒曹彬。楊業(ようけいぎょう)。耶律休哥。穆桂英。狄青。宗澤。岳飛。韓世忠(梁紅玉)。宗弼(ウジュ)。虞允文。孟珙。完顔陳和尚。張世傑。
元時代⇒伯顔(バヤン)。郭侃。ここてむる。
明時代⇒徐達。常遇春。姚広孝(どうえん)。鄭和。于謙。王守仁(王陽明)。戚継光。袁崇煥。秦良玉。鄭成功。
清時代⇒ドルゴン。みんりゃん。楊遇春。李長庚。関天培。せんげりんちん。李秀成。石達開。劉永福。

 異民族系のココテムルドルゴンサンゴリンチンが出てこないのは仕方ないにしても、漢字は衛青尉遅敬徳が出ないくらいでほぼパーフェクト。これは…田中信者の仕業だな…。

武侠小説(金庸)

書剣恩仇録⇒こうかかい。総舵手。陳家洛。乾隆帝。ほちんとん。かすりー。ほんらいしゅ。文泰来。駱冰。じょてんこう。よぎょどう。りくひせい。
碧血剣⇒袁承志。夏青青。金蛇郎君。崇禎帝。阿九。李自成。李岩(李巌)。何鉄手。ホンタイジ。ドルゴン。
雪山飛狐⇒こひ。胡一刀。苗人鳳。苗若蘭。田帰農。
射雕英雄伝⇒郭靖。黄蓉。楊康。穆念慈。東邪・黄薬師。だんししんつう。西毒・欧陽鋒。蝦蟇功。南帝・一灯大師(段智興)。一陽指。北丐・洪七公。降龍十八掌。打狗棒。ちゅうしんつう・王重陽。老頑童・周伯通。えいこ。江南七怪・柯鎮悪。朱聡。かんほうく。なんきじん。ちょうあせい。ぜんきんはつ。かんしょうえい。焦木大師。梅超風。全真教。全真七子。馬鈺。丘処機。王処一。たんしょたん。りゅうしょげん。かくだいつう。孫不二。かんがんこうれつ。わんやんこうれつ。九陰真経。ぶぼくいしょ。
神雕侠侶⇒楊過。小龍女。獅子吼。李莫愁。金輪法王(きんりんこくし)。独孤求敗。かくふ。郭襄。かくはりょ。やりつせい。絶情谷。神雕侠。
飛狐外伝⇒こひ。程霊素。袁紫衣。福康安。
倚天屠龍記⇒倚天剣。屠龍刀。張三豊。武当山。ちょうすいざん。明教。殷素素。張無忌。趙敏。峨眉山。周芷若。いんり。小昭。金毛獅王・謝遜。しさんりゅうおう。ようふかい。こうみょうさし・楊逍。こうみょううし・はんよう。
鴛鴦刀
白馬嘯西風
連城訣⇒空芯菜。狄雲。戚芳。戚長発。ばんれいざん。万圭。梅念笙。丁典。凌霜華。血刀老祖。落花流水。水笙。
天龍八部⇒丐幇。喬峯。蕭峯。あしゅ。あし。大理国。だんよ。段正淳。木婉清。しょうれい。慕容復。王語嫣。まんださんそう。游担之。虚竹。天山童姥。耶律洪基。完顔阿骨打。悪貫満盈・だんえんけい。ようじじょう。南海鰐神。
侠客行⇒石破天。
笑傲江湖⇒五嶽剣派。華山派。君子剣。偽君子。岳不羣。しかこう。しかひきゅう。寧中則。令狐冲。小師妹。岳霊珊。ふくい鏢局。林平之。りんえんと。辟邪剣譜。風清揚。独孤九剣。嵩山派。左冷禅。りくはく。ひひん。恒山派。定逸師たい。儀琳。こうざんは。莫大先生。劉正風。少林寺。方証大師易筋経。武当山。田伯光。せいじょうは。余滄海。日月神教。葵花宝典。東方不敗。ようれんてい。曲洋。じんえいえい。じんがこう。吸星大法。
鹿鼎記⇒韋小宝。しょうけいし。康熙帝。しょうげんし。建寧公主。順治帝。ぎょうち。かいだいふ。天地会。陳近南。ていこくそう。もくけんぺい。ほうい。双児。九難。ちんあか。かてきしゅ。呉三桂。ごおうゆう。陳円円。神龍教。四十二章経。
越女剣

 力尽きた…。意外に胡斐とか任盈盈が入ってないと思えば、思いもしない人が入ってたりして基準が分からないですね。

 と、続くかどうかはともかく一旦ここでおしまい。

追記:その後、ちょっとだけ遊びました。

武侠小説(古龍)

かんかせんけん⇒ほうほうぎょく。小公主。こふしゅう。
大旗英雄伝⇒てつちゅうとう。うんそう。水霊光。温黛黛。
ぶりんがいし⇒しんろう。おうれんか。ゆうびょうじ。
絶代双驕⇒こうしょうぎょく。小魚児。花無缺。鉄心蘭。そいん。小仙女。張菁。燕南天。激月きゅうしゅ。れんせいきゅうしゅ。ぼようきゅうまい。ときょうきょう。ははじ。こうべつかく。こうぎょくろう。
楚留香伝奇(けつかいひょうか、大沙漠、画眉鳥、しゃくしへんこん、蝙蝠伝奇、桃花伝奇、新月伝奇、ごやらんか)⇒楚留香。そようよう。りこうしゅう。そうてんじ。こてつか。
多情剣客無情剣⇒小李飛刀。しょうりたんか。りじんかん。あひ。りんせんじ。そんしょうこう。りゅうしょううん。じょうかんきんこう。けいむめい。
しょうじゅういちろう
歓楽英雄⇒かくだいじ。おうどう。えんしち。りんたいへい。
流星胡蝶剣⇒こうろうだい。もうせいこん。ようしょう。
辺城浪子、くがつようひ、てんがいめいげつとう⇒ようかい。傅紅雪。ていれいりん。
りくしょうほうでんき(きんほうおうちょう、しゅかたいとう、決戦前夜、ぎんこうとぼう、ゆうれいさんそう)⇒りくしょうほう、花満楼、せいもんすいせつ、しくうてきせい

 古龍は弱め。

金庸を読まない人生なんて…

 金庸小説は読まないと人生大いに損するらしい。うーん…。読むと人生が豊かになるかも知れないけど、読まなくてもさして損はしないと思うんだけどなぁ…。世の中面白いものなんて溢れるほどあるんだし…。

隣の部署の人が、金傭を読んだことがないといったら、それは人生を損している!と叫ばれてしまった。1

大いに損しています(キッパリ)。2

 自分は武侠小説に深入りしていたくせに、実はあんまり熱中して読んでたわけではありません。ドラマも途中で投げ出したの多いですしね。深くはまり込めるほど面白くなかったというのが、まあ、実際のところですかね。金庸も全部読んでないです。これがSF小説の世界なら自分、自己批判させられてロケット帽被せられてますよ…。
 で、正直、武侠小説って日本では受け入れられる層は広いとは思えないし、三国志が好きな人がみんな武侠小説が好きだ!っていうぐらい裾野が広がるとも思えないです…。日本だと、ものすごく狭い層でニヤニヤしながらネタにされるニッチなジャンルだと思われ…。まあ、漢族の大衆文化とか大衆のメンタリティーを知るには良い教材だとは思いますが。

 ただ、美少女キャラの書き分けについては確かに特筆すべき点があると思います。あの時代にすでにツンデレ(任盈盈)やヤンデレ(殷離)、メイド(双児)に男装(ホチントン)に綾波(小龍女)までカバーしてるわけですから、現代日本の萌はすでに五十年前の香港で金庸と言う偉大なロリコン小説家が通り過ぎた場所だと言えます。ただ、同じ武侠小説でも古龍の小説に出てくる女性のような深みのあるキャラがいないのが残念ですが…。

 だから、金庸あたりはきれいな絵をつけてハーレムラノベとして売り出せば、勘違いして買う人は多いんじゃないかと思うんですけどね。《鹿鼎記》あたりだと…。

 と言うワケでこの項はとあるつぶやきから派生(事後承諾)。

宴会記事

 本屋を歩いていたところ、見慣れた唐人〈唐人宮楽図〉1を表紙にした絵があったので手に取ってみたところ、南條竹則『飽食終日宴会奇譚』日本経済新聞出版社 だった模様。早速購入。またぞろ中華の宴会料理を飽食するという内容。しかも、一章一宴会らしく、旨そうな料理が目白押しです。すさまじく手間をかける中華料理の中でも宴会料理がメインなので、レシピ的な読み方は期待できませんが、とにかく出てくる料理が全部旨そうで頭がくらくらします。お腹すいたときは読まない方が無難です。

 で、美味しそうな料理の合間に乾隆帝の記事も何個かあったのでとりあえずメモ。

 孔府のもやし料理は有名で、中には「醸豆莛」という、もやしの中に餡を詰める、恐ろしく手間のかかるものもあるそうだ。しかし、一番よく知られている「油潑豆莛」は、単なるもやし炒めである。
 『中国名菜精萃』によると、ある時、乾隆帝が孔府へ来て食事をしたが、どうも食がすすまない。それで、おそばに控えていた衍聖公が料理人を呼び、食欲が出てお腹にももたれない料理を何かこしらえるように命じた。
 料理人は緑豆もやしに花椒を少し加え、油で炒めて出したところ、皇帝はお気に召して、「悪くない。こんな料理は初めて食べる!」といった。以来、これは孔府の名菜となったのだそうな。
 続いて来た「金香白玉板」は、軽く揚げた豆腐を白玉に見立てている。ふつうは「金鑲白玉板」とかく場合が多い。
 これも乾隆帝ゆかりの料理だ。
 ある時、乾隆帝がお忍びで田舎を歩いているうちに、お腹がペコペコになり、農家で夕飯を食べさせてもらった。家の人はこの素朴な豆腐料理を出したが、空きっ腹にまずいものなしで、皇帝はたいそう喜び、「この料理は何という名前か」ときいた。
 家の人はただの豆腐というのが恥ずかしいので、「金鑲白玉板(金を嵌めた白玉の板)でございます」とこたえたというのだ。
 乾隆帝は幾度も北京の都から江南へ行幸したが、小説や言い伝えの世界では、水戸黄門のように各地をお忍びでめぐり歩いたことになっている。そうしてあちらこちらに、この皇帝と食べ物にまつわる話がある。豆腐ももやしも、乾隆帝の膳にのぼれば名菜になってしまうのだから、大したものだ。2

 何というか、いかにも乾隆帝っぽい話。そこら中に目黒のサンマがうようよしているわけです。

 最近作では割に迷走しているイメージがあったのですが、またでふ先生の美味しそうな記事に巡りあえて幸せです。とりあえず、美味しい宴会料理を食べるように味わって読みます♪また渋谷中華料理屋に行きたくなりましたよ。

  1. 國立故宮博物院 National Palace Museum
  2. 南條竹則『飽食終日宴会奇譚』日本経済新聞出版社 P.29~31
1 24 25 26 27 28 31