と言うワケで、ある日書虫をヘラヘラ見物していたところ、《北京古建築地図》1なる本を発見。さして何も考えずに、「今度行ったときの参考になると良いなぁ…」程度の考えで購入したわけですが…。これ面白いです。
大体北京の紹介本というと、昔はこうだったああだった的な紹介が殆どでしょう。それはそれとして大事なことなんですが、ガイドブックとしてより重要なのはその建物が何処にあるのか?そして何よりも大事なのが、今は参観できるのか?っていうコトです。
その点、この本はやってくれました。いつ頃建てられた建築物なのか?どの程度の文化施設なのか2、解放しているか否か?また、現在は何として使用されているのか3等々、あらかた自分が知りたいことが網羅されており、おまけに文献上では知っていたけど、何処にあるのか知らなかった施設が結構あります。ガイドブック的にも使える上に、ぺらぺら捲るだけでも面白い本です。
総参謀部占有…
去年、北京に行ったときに遠くから眺めた大高玄殿は実は総参謀部が占有していたらしいとか書いてありますし、中共中枢部の通称でもある中南海に関しても民国時代の写真を多く載せていますし(写真が小さいのが本当に残念)、北海公園の建築物なんかもちゃんと紹介しています。おまけに、民国期に撮影された北京…当時の北平?の航空写真も各地域ごとに掲載されていて非常に便利です。
というか、去年出てればこれでコース考えたのに…と思わないでもないですが、とにかく、ぺらっと捲っただけでも、自分が手にした北京関係の本と比較して、かなりの濃度のある本だと感じられます。京師大学堂の校舎がまだ残ってるとか、溥儀が生まれた醇親王府(北府)が元々、康煕朝の大学士・明珠の邸宅で、ここで納蘭性徳が生まれたとか、知らないコト満載です。そうそう、去年あわよくば行こうとしていたサンゴリンチン祠堂は小学校になっている模様…あと、サンゴリンチン邸というか僧王府も現存しているけど現在は民家とか、読んでて飽きませんねぇ…。
ただ、79元というお値段なら買いなんですが、輸入するとちょっとお高くなっちゃいますねぇ…。北京が好きで古建築が大好き!と言う人は買って損はしないと思います。お薦めです。
いずれ、この本の情報をGoogleマップとかに落としたいですねぇ…。ともあれ、この濃度で上冊ですから、今から下冊が楽しみです。多分、今度の巻で殆ど北京の内城と外城はやり尽くしたから、下冊では郊外をやるんでしょうけどこの濃度でもつのか心配ですね…。
で、このシリーズ…は五冊4出てるんですが、ついついその内の紫禁城と頤和園買っちゃいました…。多分出来がよければ、他の二冊も買うと思います…。天壇なんてさして興味無いのに買っちゃうんだろうナァ…。
- 李路珂等 《中国古代建筑知識普及与伝承系列叢書 北京建筑五書 北京古建筑地図 上》精華大学 ↩
- 故宮は世界遺産!天安門は国家級!サンゴリンチン祠堂は区級!とか明記 ↩
- 国家級の施設が公開されていないのははともかく、民居って誰が住んでるんだろう?とかも明記 ↩
- 劉暢《中国古代建筑知識普及与伝承系列叢書 北京古建筑五書 北京紫禁城》精華大学
贾珺《中国古代建筑知識普及与伝承系列叢書 北京古建筑五書 北京頤和園》精華大学
王貴祥《中国古代建筑知識普及与伝承系列叢書 北京古建筑五書 北京天壇》精華大学
贾珺《中国古代建筑知識普及与伝承系列叢書 北京古建筑五書 北京四合院》精華大学 ↩