康煕帝の諸皇子

 と言うワケで、毎日BSで放送されている《歩歩驚心(邦題:宮廷女官 若曦(ジャクギ))》をツラツラ見てます。軽くストーリーに触れると、現代の北京で彼氏に二股かけられた歴女・張暁が何故か清代・康煕朝八阿哥・胤禩側福晋・若蘭の妹としてタイムスリップ!八王府で生活する傍ら、康煕帝の皇子達に言い寄られちゃって困ってるウチに、選秀女に紛れて康煕帝のお茶汲み宮女となって康煕帝にも気に入られちゃってどうしよう!という、まぁ、一言で言うと辮髪乙女ゲードラマですね。セットも衣装も貧弱だなぁ…等と、結構馬鹿にしながら見てたんですが、続けて見てみると結構面白いので続きが楽しみなドラマ№1になってますね…。細かいところを上げていくとキリが無いわけですが、歴史との関わりは信長のシェフみたいなモンなので、それくらいにお気楽に構えて見るのが礼儀という感じはしますがw

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契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア

 と言うワケで、『アジア遊学 契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア』勉誠社 をツラツラ読んでました。

 実に興味深い内容でしたね。ただ、キタイそのものの歴史ではなくその周辺の歴史…という感じに終始していたのは痛し痒しという感じでしたが。ただ、キタイの国際関係というのはなかなか面白かったデスねi。崩壊したウイグルの一部がキタイに吸収されたと言う指摘は面白かったデスね。

太祖淳欽皇后述律氏,諱平,小字月理朶。其先回鶻人糯思,生魏寧舍利,魏寧生慎思 梅里,慎思生婆姑梅里,婆姑娶勻德恝王女,生后于契丹右大部。ii

 《遼史》の述律皇后の冒頭にもこう書かれているとおり、ウイグルの子孫だったと言われているわけでさもありなんですが、そう言われてみれば…という感じですね。キタイの役職にはウイグル語…と言うか古トルコ語起源のモノも多いと言う指摘iiiも面白いですね。政治的にはウイグルの影響が強かったんでしょう。他にも五代十国各王朝との外交関係やiv、澶淵の盟を中心とした対宋関係v、勃海との関係vi。直接交渉はなかったものの日本との関係を仏教を通じてみるというのは面白い視点viiでしたね。
 北面官南面官の語彙がキタイでは皇帝が西に座り東面し、それを挟んで左右に臣下が列んだのが語源とかちゃんと資料読めば分かる指摘viiiもちゃんとしててなかなかありがたかったです
 遺跡の発掘や契丹文字の解読状況なども興味深かったのですが、やはり散文的でイメージ湧かないですねぇix
 あと、歴代帝王廟の所でも触れましたが、清代皇帝によるキタイの評価x楊家将ネタxiは面白かったデス。特に、エセン・ハンと対峙した楊洪という宣府に鎮した武将が、やはり一族で武名を上げて当時楊家将と称されたと言うのはしらんかったです。《于少保萃忠全伝》にも楊家将として出て来るみたいです。
 ニマニマしながらまたツラツラ読んでみます。

  1. 一 契丹[遼]とその国際関係 [戻る]
  2. 《遼史》巻七十一 列伝第一 后妃 太祖淳欽皇后述律氏 [戻る]
  3. P.56 契丹とウイグルの関係 [戻る]
  4. P.34 五代十国と契丹 [戻る]
  5. P.44 澶淵の盟について─盟約から見る契丹と北宋の関係 [戻る]
  6. P.70 [コラム]契丹と勃海との関係 [戻る]
  7. P.76 遼帝国の出版文化と東アジア [戻る]
  8. P.115 契丹国(遼朝)の北面管制とその歴史的変質 [戻る]
  9. 三 契丹研究の新展開─近年新出資料から [戻る]
  10. P.264 清人の見た契丹 [戻る]
  11. P.253 明代小説にみえる契丹─楊家将演義から [戻る]

<特別展>書聖 王羲之

 と言うワケで、先週、東京国立博物館 平成館で開催されている<特別展>書聖 王羲之を見てきました。正直な所、書道何てよく分からないので、主に判子を見てきましたが…。では、ちょくちょく見たモノを纏めてみます。
 全体として、王羲之の書は少ないですね。まぁ、真筆は戦乱に巻き込まれて殆ど無くなってるし、模筆や拓本にしても珍しいモノですからしょうがないってものです。
 王羲之以前の書として展示されていた、鍾繇の№15:薦季直表と№16:宣示表は石刻拓本だったのですが、宣和印政和印が押されている部分も石刻されており、何とも不思議な感じはしましたが、鑑蔵印も確認出来ました。これも面白いですね~。拓本を見るに、中には虫食い部分も再現された石刻もあったようで、なかなか芸が細かいんですね。
 個人的にはプリンストン大学付属美術館蔵の№60:行穣帖は、北宋徽宗双竜印宣和印政和印乾隆帝古希天子印乾隆御覧之寳印乾隆鑑賞印乾隆御筆印などが狭い紙面に広がってて満足できました。図録でも鑑蔵印についての紹介がありましたね。狭い紙面に所狭しと押された鑑蔵印はなかなか壮観です。展示でも横のモニターで双鉤填墨という複製技法が紹介されてましたし、告知ポスターでも真ん中に出てますし、この展示としては一押しの書なんでしょうが…今ひとつ会場に伝わってるようには見えませんでした。
 あと、話題の№64:王羲之尺牘 大報帖ですが…。まぁ、鑑蔵印が全く押されていない状態の書だったので、自分としてはほぼスルーという状態でした。内容も今ひとつわからんですしねぇ。
 №85:宣和内府旧蔵蘭亭序はに押された宣和印はともかく、宣和◯寳印は本物なのか疑問でした。しかも、双龍印が押してあったのですが…丸じゃなくて四角なんですよね。書のことは分からないンですが、鑑蔵印は果てしなく怪しい…という感じでした。
 №67:蘭亭図巻-万暦本-は明代の画像磚ですが、拓本にした際の墨の濃淡が出るように工夫された面白い拓本でした。エッヂもシャープで面白かったデス。書じゃないですけど。

 と、こんな感じでしょうか?じっくり見たつもりですが、感想となるとこんな感じですかね。あと、東洋館が耐震工事が終わりリニューアルしてました。展示品は以前とそう変わらないように見えましたが、照明や展示方法が変わったためか、見やすくなった印象がありますね。こちらもオススメです。

歴代帝王廟

 と言うワケでどうも。長らく更新サボってました。何というコトは無く、ただTwitterで事足りてたので更新が滞っていただけなんですが…。
 ここのところ、ツラツラ『アジア遊学 契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア』勉誠社を読んでました。何せ島田正郎『契丹国―遊牧の民キタイの王朝』東方選書以来の纏まった一般流通する本なので。で、その中で「清人の見た契丹」と言う章で歴代帝王廟について触れているのに興味が引かれたので、今日はこのネタを書いてみようかと。気にはなってるモノの未だに行ったことが無い北京の観光スポットなんですよねぇ。

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南都をフラフラ歩いてみた

 と言うコトで、帰省がてら奈良に行ってきました。奈良国立博物館で展示されていた神護寺蔵 伝・源頼朝像目当てです。お盆期間中ですし、展示終了時期も迫っていたので大層混んでいるだろうと身構えていったのですが…てんで人が居ませんでしたね。それはもうビックリするくらいwかなりの時間を独り占めで伝・源頼朝像を見ることに充てることが出来ました。


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