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『大清帝国の形成と八旗制』メモ2 ─ウラ ナラ閥とフリンの継位─
続けて、杉山センセの『大清帝国の形成と八旗制』のメモ。今回は、第一節 両黄旗──ウラ=ナラ氏の部分です。何にせよ自分の興味あるドルゴン時代の政争についての記事が多いので、引用長めです。ていうか、この本あれば史料で調べられる範囲は全部網羅できちゃってる感じですかね…。あとは、参考文献に上がってる史料に直接当たるしか無いですね。細かい描写までは当然全部上がってはいないので。
『大清帝国の形成と八旗制』メモ1 ─八旗を構成する氏族─
と言うワケで、杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』名古屋大学出版会 をツラツラ読んでいました。要するにヌルハチからホンタイジに至るまでの「ダイチングルン」と「八旗制」については、おおよそこの本だけで用が足りてしまう素晴らしい本です。自分にとっては飛ばし読みすることが出来ない、中身の詰まった良著でした。個人的な感想にはなりますが、巻末の参考文献だけでも買う価値はあります。およそ、八旗制度についてはこの本を読むことがこれからの研究の原点となるはずです。これハードル高いわーどうすんだろホント。
鑲紅旗 承澤親王ショセ その2
流石に絶版文献参考するのは時間かかるなぁ…と、前回の記事書いてぐぬぬ…と思っていたら、手元にあった杜家驥《八旗与清朝政治论集》をパラッと見てたら、注にありましたね…。ショセのニルが元々ショトのニルであった説を長いけど引用してみましょう。
鑲紅旗 承澤親王ショセ
と言うワケで、鈴木真センセの「清朝入関後、旗王によるニル支配の構造」iをツラツラ読んでいると、
ダイシャンの二子ショトは、ホンタイジ死去後に罪を得て処刑され、麾下の鑲紅旗ニルはやがて順治帝の異母兄・多羅承澤郡王ショセ麾下に賜与された(後の和碩荘親王家)。ii
等という文章にあたり、椅子からズリ落っこちました。ええ?そうだったの?
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- 鈴木真「清朝入関後、旗王によるニル支配の構造」『歴史学研究』830号 [戻る]