延禧攻略の小ネタ(宮訓圖十二幀と遮陰侯)

と言うわけで、ゆるゆると《延禧攻略(邦題:「瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」)》を見ています。まだまだ序盤なので話は進んでいないんですが、見ていて割と気になるネタがちらほらあるので、メモを。 Read more
宣和堂の節操のない日記
と言うわけで、ゆるゆると《延禧攻略(邦題:「瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」)》を見ています。まだまだ序盤なので話は進んでいないんですが、見ていて割と気になるネタがちらほらあるので、メモを。 Read more
と言うわけで、Netflixでオリジナルドラマ、Sense8(センス8)を見たのですが…。結構複雑な話なのでWikipediaでも見ながら確認しよう!と思ったらそもそも日本語の項目自体がなくて困り果てたので、英語のページと2話くらいまでの内容をメモ。各国各地域の8人の老若男女…とニューハーフとゲイがある時を境に感覚や能力をシェアできるようになり…。と言うお話です。ちょっと聞いただけではHEROSみたいですが、むしろ、サウンドノベルの『街 〜運命の交差点〜』で主人公の人たちが世界各地に散ってて、お互いに不思議な力でつながっててそれぞれの能力をみんなが使える感じですかね…。最終的に同じ目的になるなら『428』っぽくなるのかもしれませんが…。
ともあれ、12話あるのですが、2話まで見ても多分何のこっちゃか分からないドラマです。後から見直すと、ああ!そういうことか!となるんですが、何やってるのかさっぱり分かりませんし、そもそも主人公8人が均等に出てくるわけじゃ亡いので、せわしない感じになります。
ウィル;アメリカ シカゴ(Will Gorski – Chicago)
シカゴ警察の警官。人種の坩堝シカゴで街のギャングの取り締まりなど行っていた。テロリストとして指名手配されていたジョナス(Jonas Maliki)という容疑者を追うのだが…。
ライリー;イギリス ロンドン(Riley Blue – London)
ロンドンのアイスランド人DJ。聴衆に誘われてヤバいドラッグのパーティーに連れて行かれるが…。
カフィアス;ケニア ナイロビ(Capheus “Van Damme” – Nairobi)
ナイロビのバス運転手。ジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンでバスにも全然似てないヴァンダムの絵を描いて目印としている。母親がエイズを煩っており、治療薬の為に稼がなくてはならないが、ライバルのバットヴァンにバスの客を取られてしまう…。
サン;韓国 ソウル(Sun Bak – Seoul)
ソウルの財閥系一族会社の娘にして副社長。かつてキックボクシングのチャンプとして君臨していた。父親は弟にばかり目をかけていたが、弟は汚職に手を染めていた…。
リト;メキシコ メキシコシティー(Lito Rodriguez – Mexico City)
メキシコシティーの人気映画俳優。ストイックな性格だがセクシーさでは人気随一で男性人気も女性人気も高い。人気女優ダニエラ(Daniela)とのスキャンダルに見舞われるが、彼にはヘルナンド(Hernando)という同居人との間にある秘密が…。
カーラ;インド ムンバイ(Kala Dandekar – Mumbai)
ムンバイの製薬会社社員。ガネーシャ神の熱心な信者。街の食堂の娘だが、社長の息子であるラジャン・ラサルから熱烈なアタックを受けて婚約を決めたのだが…。
ウォルフガング;ドイツ ベルリン(Wolfgang Bogdanow – Berlin (Max Riemelt)
ベルリンのギャングにして金庫破り。従兄弟シュタイナーが目をつけた宝石を親友のフェリックス(Felix)と横取りしようとするのだが…。
ノミ;アメリカ サンフランシスコ(Nomi Marks – San Francisco)
サンフランシスコのブロガー。元ハッカーであったが、足を洗い性転換して女性となった。現在は彼女のアマニタ(Amanita “Neets”)と暮らしており、プライド(LGBTのイベント)に参加しようとしたのだが…。
と言うワケで、『リトル・フォレスト 夏・秋』を見に行ってきました。元々、五十嵐大介の原作『リトル・フォレスト』好きですし、橋本愛が主演と聞いていたので、否応なく見に行くつもりだったのですが、2014/08/30公開というのはうっかり漏らして、先週上京してたのに舞台挨拶スルーしちゃいましたよ…。新宿ピカデリーに行ってたのにw(G-レコ見てました)
と言うワケで、毎日BSで放送されている《歩歩驚心(邦題:宮廷女官 若曦(ジャクギ))》をツラツラ見てます。軽くストーリーに触れると、現代の北京で彼氏に二股かけられた歴女・張暁が何故か清代・康煕朝の八阿哥・胤禩の側福晋・若蘭の妹としてタイムスリップ!八王府で生活する傍ら、康煕帝の皇子達に言い寄られちゃって困ってるウチに、選秀女に紛れて康煕帝のお茶汲み宮女となって康煕帝にも気に入られちゃってどうしよう!という、まぁ、一言で言うと辮髪乙女ゲードラマですね。セットも衣装も貧弱だなぁ…等と、結構馬鹿にしながら見てたんですが、続けて見てみると結構面白いので続きが楽しみなドラマ№1になってますね…。細かいところを上げていくとキリが無いわけですが、歴史との関わりは信長のシェフみたいなモンなので、それくらいにお気楽に構えて見るのが礼儀という感じはしますがw
と言うワケで今回は前回に引き続き珍妃のお仕置きの回ですね。写真のことで皇后にいびられた珍妃は、李蓮英の売官のことをそれとなーく光緒帝に告げ口して、却って分を超えて政治に口出ししたことを慈嬉太后に責められて罰を受けます…。
と言うコトになっていますが、史実に残る事件は真逆ですね…。ちょっと長くなりますが引用します。
(前略)長春宮の回廊を飾る『紅楼夢』に壁画である。
透視図による斬新な構図と巧妙な遠近法、一草一葉にいたる細密絵画の手法は、あたかも長春宮が『紅楼夢』の世界の中に存在しているかのような錯覚をもたらす。
中国の『源氏物語』ともいわれる曹雪芹の長編小説『紅楼夢』は、帝王の封建制を批判したという理由で乾隆が「禁書」としたが、晩清にいたって西太后の愛読書となり、爆発的な流行をみた。西太后の熱中ぶりを知る瑾妃と珍妃の姉妹が、西太后六十歳の賀の贈物として、太后の居宮を飾るべく趣向を凝らしたのであろう。清末の進士で宮廷事情に通じた九鐘主人こと呉士鍳の著『清宮詞』の珍妃を詠った部分の注として「珍、瑾二妃は畫苑をして紅楼夢大観園を畫かしめ、内廷臣に詩を題せしむ」の添書がある。姉妹が発案して大観園の絵画を描かせただけでなく、さらに内定の官人に詩文を求めていたことが知られる。(中略)
まさに才気煥発を謳われた珍妃姉妹が西太后への恭順を示す「気のきいた贈物」であった。しかしこの抜群のアイディアが王臣達の疑念を招く結果になる。これだけの作品に要した金銭的負担───いかに皇帝の寵愛をうけているとはいえ、この正月、妃に昇格したばかりの姉妹ではないか。その封銀でとうてい賄えるはずもないこの制作費は、いったいどこから出たのだろうか、と。1
(前略)西太后六十歳の賀の恩恵として珍嬪とその姉は妃に昇格した。その感謝のしるしとして秋の祝典に披露された『紅楼夢』の障壁画は、その抜群の着想で廷臣たちをあっと言わせた。しかしその直後、もう一度全宮廷をあっと言わせる事件が生じる。姉妹そろって妃から無品の貴人に二階級降格させられたのである。(中略)
その問題とは、口利きによる収賄「売官」であった。2
と言うワケで、慈嬉太后に懲罰を受けたのは出しゃばって売官を糾弾したからではなく、還暦祝いの為に売官して儲けたためだったわけですね。このスキャンダルが発覚すると、芋蔓式に珍妃のお付きの太監や慈嬉太后お付きの太監も罪を問われて、死刑に処されています。となると、この事件の二年後には妃に復帰している珍妃と瑾妃はやはり光緒帝の寵愛あつかったと言うコトでしょうか…。もしくはスキャンダルを利用してお仕置きされたモノか…。どっちもありそうですけど。
2008年11月23日 宣和堂撮影 長春宮扁額
長春宮紅楼夢長廊
と、長春宮の写真です。いつもの如く写真はあるんですが、紅楼夢障壁画は絵画保護のためにガラスがビッチリはめ込まれているので、あんまりきれいに撮れないんですよねぇ…。暗いしフラッシュ弾くでまともに撮れたことがありません。自分の技術ではコレが精一杯。
で、個人的には待ちに待ってた李鴻章が漸く(名前だけ)登場するわけですが…原作と扱いが180°違います……。また大陸で評価変わってきたんですかねぇ…。近代化の英雄=ジェネラル・リーではなくどっちかというと、旧態依然とした漢奸買弁のイメージで進めるみたいですねぇ…。
代わって原作では名前が出て来ない馮子材が清仏戦争の英雄として出てきます。自分は寡聞にして知らなかったので、「ええ~清仏戦争って言ったら黒旗軍の劉永福じゃないの?」とガッカリでしたが、調べてみると実在の人物で太平天国関係では有名な人だった模様…。光緒帝とも縁があるので、あの文脈なら劉永福ではなく馮子材なんだろうなぁ…と納得。ちなみにこんなおじいちゃんだったみたいです。
《清史図典》第十二冊 光緒 宣統朝 下 P.222
今でも公園で太極拳してそうなおじいちゃんですが、六十超えてベトナム遠征してフランス軍の大砲の中に矛持って突っ込んで撃退したり、七十超えても義和団が迫る北京に駆けつけようとしたりする元気なおじちゃんだったみたいです。知らないコトっていっぱいあるんだなぁ…。勉強になりました。