乾隆帝の生母について─甄嬛のモデル、海寧陳氏の元ネタ─

円明園での一家

 さて、鈴木真センセの新作論文「雍正帝の后妃とその一族i」という論文が学術的に非常に興味深い上にドラマネタ的にも面白い話だったのでメモ。
 で、どんな内容かというと⇒ドラマ《后宫甄嬛传(邦題:宮廷の諍い女)》の中で、正藍旗漢軍旗人である主人公・甄嬛が宮廷から出て道観に出家?して、再度入内する際にニオフル氏に改称するシーンがありました。ドラマ見ていた時には、楊玉環⇒楊貴妃を下敷きにしたのかなぁ…と思っていたのですが、どうやらこれに元ネタがあったようです…。原作小説は清代がモデルではないので、テレビ版がどれくらい意識しているかは分かりませんけど…。

Read more

  1. 『史境』71号 歴史人類学会 [戻る]

冰嬉

 長年の懸念事項である冰嬉に関する記事を見つけたのでメモ。
 と、最近冰嬉で検索するとコレばっかり引っかかるんですよね…。《後宮 甄嬛傳(邦題:宮廷の諍い女)》という人気ドラマの一シーンです。

 この動画の03:44頃から安陵容のフィギュアスケートが始まります。で、人気ドラマの有名なシーンで使用されたことで、割と冰嬉自体がメジャーになったようで、圓明園ではこんなアトラクションもやるようになったみたいですね…。

Read more

アキナとサスヘ

 さて、いよいよ《歩歩驚心》の再放送もクライマックスで、八阿哥の命運も風前の灯火です。で、このあたりで出て来るアキナサスヘという八阿哥九阿哥の別名ですが、宮崎市定の『雍正帝 中国の独裁君主』中公文庫ではこうなっています。

──あいつはもう皇族ではない。一介の平民だ。皇族と間違えられそうな名前を持っていては他の兄弟が迷惑する。なんと名前をつけかえたらいいか、本人に聞いてまいれ。
使者がこの旨を取りつぐと、八阿哥は平気な顔をして、ただ一言答えた。
──犬。
──よし犬になれ。
 雍正帝は即座に八阿哥を犬にしてしまった。満洲語で犬のことをアキナという。これから朝廷では八阿哥の名をよんではならなくなって、いつもアキナと称した。i

 雍正帝の命によって宮内省は九阿哥から皇族の身分を剥奪することを決めた。皇族ではなくなると改名せねばならぬ。どんな名前がつけられたいかと聞きにやったが、九阿哥の原案が雍正帝の気に入らない。
──豚にせい。
 九阿哥は豚と名をつけかえられた。九阿哥は身体が丸々と肥えていたのだ。満洲語で豚のことをサスヘという。以後、九阿哥はサスヘが戸籍上の名になった。ii

 と、このように、アキナサスヘとなっています。しかし、宣和堂は異常な程の犬好きであった雍正帝がはたして殺す程憎い八阿哥なんて名前付けるのかしら?と、ずっと違和感がありました。それに、動物の名前を人名に付けるのはマンジュではそう珍しくはありません(例えばドルゴン Dorgonはアナグマの意)。と思って、阿其那塞思黒で検索したら面白記事が出てきました…。
Read more

  1. 宮崎市定『雍正帝 中国の独裁君主』中公文庫 P.43~44 [戻る]
  2. 宮崎市定『雍正帝 中国の独裁君主』中公文庫 P.48~49 [戻る]
1 2 3 4 12