延禧攻略の小ネタ4 吃肉分福と怡僖親王・弘暁

と言うわけで、またツラツラと《延禧攻略(邦題:「瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」)》を見ています。今回は14~15集当たりに出てくる福分けの肉=吃肉分福の話を纏めました。 Read more
宣和堂の節操のない日記
と言うわけで、またツラツラと《延禧攻略(邦題:「瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」)》を見ています。今回は14~15集当たりに出てくる福分けの肉=吃肉分福の話を纏めました。 Read more
と言うわけで、自分でよくわからんくなってきたのでメモ。整理用にかなり乱暴に纏めました。 Read more
と言うワケで引き続きBSジャパンで放送中の《山河戀·美人無淚(邦題:宮廷の泪 山河の恋)に出て来る人物についてツラツラ書いてきます。今回はアマガ・アイシン・グルン(後金国)からダイチン・グルン(大清国)の帝王で孝荘文皇后と関わりのある人をズラッと並べようかと…。
というわけで、何となくTwitterで絡んでいる時に楊家将のドラマの話になりってですね…。日本語で楊家将を知ろうとすると、北方楊家将しか無いよねぇ…等という話になりまして。まあ、悪くはないけどどうもバイアス掛かりすぎで…って感じでして。まあ、それでも楊家将を知る手がかりってそうないよねぇ~と言う話をしていて検索掛けたら自分が過去に書いて吹っ飛ばした記事にリンク貼ってあったりですね…。いや~バックアップ取ってない文章だったので些か困りました。サルベージもできそうにないですねw
そんなわけで、自分も楊家将は好きなので、折角だから思い出しがてらまとめてみようかなぁ…と思った次第。
まず、楊家将サガが三国志ほどメジャーでないのは、まぁ…色々理由はあると思いますが、やはり決定的なテキストがないって当たりですかね…。
現在楊家将演義と称されているテキストには大きく分けて二種類あります。これに講談やら京劇やらドラマやらの独自展開があって、内容についても様々なバリエーションがある上、第二世代、第四世代以降の兄弟の人数や構成についてもマチマチです。また、大本の二種類のテキストでは結末が大きく違うのでこれもまた厄介です。
それに、京劇では楊家将と言えば穆桂英!と言うくらいキャッチーなアイコン的キャラがいますが、テキストではそんなにウェイトが高いわけではありません。おそらくキャラが成熟しきった頃に成熟しきったテキストが出て来なかったモノでしょうけど、これでは折角京劇を見て興味を持った層がテキストを読んでもガッカリすること請け合いですね。
それに、基本的には「報われない忠臣一家の話」なので、各世代ごとに基本的にバットエンドです。配役が変わるだけで結構既視感の強い展開であることは否めないですね。まあ、バットエンドが連続するワケなので、読んでいてハリウッド的なスカッと感に欠けます。まあ、これが売りなんで仕方が無いことではあるんですけど。
あと、中国の古典小説は大河モノの場合はよく転生譚から始めるモノが多い中で、これは珍しく人間の物語として始まるわけですが、途中で《東遊記》と被る仙人の妖術合戦が入ってきます。三国志でも妖術合戦はありますが、どちらかというと水滸伝並みに前面に出て来る感じなので、ストイックな感じは薄れますね…。
あと、明確な敵を設定出来なかったことも弱点だとは思います。第一世代、第二世代は契丹(遼)という圧倒的な敵が存在しますが、澶淵の盟締結後はこれを設定することが難しくなり、西夏に設定したり当時存在しなかった西番・新羅にしたりするわけです。
水滸伝なら梁山伯全滅に向けたカタルシス、三国志なら蜀漢の滅亡、三国時代の終焉や諸葛亮の死といったカタルシスを結末に設定出来ますが、楊家将はそれを設定することが難しいわけです。個人的には穆桂英の事績を若い頃の佘塞花のエピソードにしちゃって、対契丹、対後周・北宋のエピソード増やして、四郎失踪を北漢滅亡に繰り上げて、最終点を楊業の死と六郎による楊家府再興にするか、若しくは、寡婦西征を澶淵の盟の後くらいに設定すればスッキリするのになぁ…と思ったりするんですがねぇ。
ただ、楊家将の影響というのはバカに出来ないモノがあります。
古いところでは《水滸伝》に登場する青面獣・楊志は楊家将の祖である楊業の後裔という設定です。後半に登場する十節度使の闌路虎・楊温も楊志とは別系統のようですが、楊家将の末裔という設定です。もっとも、彼自体は水滸伝よりも先に世に出た講談のヒーローだった様ですねi。
更に、《説岳》に登場する楊再興も楊業の後裔という設定です。もっとも、楊再興は実在の人物で《宋史》にも伝はありますがii、特に楊業とは関係ない血筋のようです。
あと、更に言えば金庸の小説《射鵰英雄伝》に登場する楊鉄心は楊再興の曾孫…つまり、楊家将の末裔で得意技は楊家槍と言う設定になっています。なので、彼の偽名が穆易なのも、楊四郎が木易と名乗ってからの伝統ですiiiw
と言うコトで、血縁的には完顔康…つまり楊康も楊家将の末裔なワケです。この辺は、忠臣として名高い楊家将の末裔が完顔を名乗り夷狄に与している!という仕掛けなんですね。正しく作用している設定とは言い難いと思いますが…。もっと自分の血筋と、育ててくれた完顔洪烈への恩との間で悩むようなドラマツルギーがあればよかったんでしょうけどねぇ。
というわけで、楊康が楊家将の末裔なら当然、《神鵰侠侶》の楊過も楊家将の末裔です。ジュシェンの狗として死んだ親から、対モンゴル戦の英雄が生まれるという話になってるわけですね。
と、あらすじ書く際の枕を書こうとしたら存外長くなったので、あらすじはまたの機会と言うコトで…。
と、久しぶりに辮髪ネタです。以前、金銭鼠尾と言う記事で、辮髪の変遷について触れました。うーん、正直あそこで書かれたような具合に変遷してきたかというと、疑問は残ります。というか、事実とは違うのではないかという気がしています。
と、以下に参考資料をズラズラ上げてみましょう。
まず、前期とされる時期の絵画資料デス。
ダイ・チングルン…というかマンジュ・グルン建国当初の基本資料である所の所謂《満洲実録》です。
《満洲実録》〈齋薩献尼堪外蘭図〉部分i
《満洲実録》〈齋薩献尼堪外蘭図〉部分ii
《満洲実録》〈生擒哈達部首領図〉iii
〈胤禛読書像〉iv
〈塞宴四事図〉(部分)v
〈乾隆帝八旬万寿図巻・城市商貿〉之一(部分)vi
うーん…やっぱり絵画資料からはラーメンマン辮髪はあんまり見られないかも…。というか、頭のてっぺん残すという辮髪は写真資料で見たこと無いカモですねぇ…。とはいえ、清末のように多くの部分を伸ばすスタイルは存外時代を下らないと散見されないのではないか?という仮説にはたどり着けたかとは思います。でも、このサンプルだけでは何とも言えませんね…。と言うワケで、探求という名の旅は続くのでした…(以下資料を追い続ける旅に出るのです…)